白血病性幹細胞の阻害方法
专利摘要:
IL−3Rα(CD123)を発現する白血病性幹細胞の阻害方法は、その細胞と、増強されたFcエフェクター機能を有するFc領域または改変Fc領域を含む抗原結合分子と接触させることを含み、この抗原結合分子は、IL−3Rα(CD123)に選択的に結合する。本発明は、有効量の抗原結合分子を患者に投与することによる患者の血液学的癌病態の治療を含む。 公开号:JP2011505386A 申请号:JP2010536288 申请日:2008-12-04 公开日:2011-02-24 发明作者:ジーノ;ルイジ ヴァイロ;デイヴィット;ポール ギアリング;リキング ジン;ジョン;エドガー ディック;サマンサ;ジェーン バスフィールド 申请人:シーエスエル、リミテッド;ユニヴァーシティ ヘルス ネットワーク; IPC主号:A61K39-395
专利说明:
[0001] 本発明は、血液学的癌病態に対する有効な療法として、白血病性幹細胞、特に急性骨髄性白血病(AML)および他の血液学的癌病態に関連した白血病性幹細胞を阻害する方法に関する。] 背景技術 [0002] 血液学的癌病態は、血液、骨髄、およびリンパ系に影響を及ぼす白血病および悪性リンパ球増殖病態などの癌の類型である。] [0003] 白血病は、急性白血病と慢性白血病に分類できる。急性白血病はさらに、急性骨髄性白血病(AML)と急性リンパ性白血病(ALL)に分類できる。慢性白血病としては、慢性骨髄性白血病(CML)および慢性リンパ性白血病(CLL)が挙げられる。他の関連病態としては、骨髄性血液細胞の無効性産生(または異形成)およびAMLへの悪性転換の危険性に結びついた、血液学的病態の多様な集合である脊髄形成異常性症候群(以前「前白血病」として知られていたMDS)が挙げられる。] [0004] 白血病性幹細胞(LSCs)は、正常な幹細胞に関連した特徴、すなわち、自己再生特性および多系列に発展する能力を有する癌細胞である。このような細胞は、異なる集団としてAMLなどの血液学的癌に永続すると提案されている1。] [0005] 急性骨髄性白血病(AML)は、異質な未分化の骨髄芽の増殖増大として臨床的に提示されるクローン障害である。白血病ヒエラルキーは、自己再生の明確な能力を有し、白血病性前駆体へと分化することのできるLSCsの小集団によって維持される1。これらの前駆体は、診断時および再発時に患者において容易に検出可能な多数の白血病性芽細胞を生じさせ、究極的に死に至らしめる2~4。AML−LSCは、速やかに分裂するクローン原性前駆体とは対照的に、一般に静止細胞として報告されている3,5,6。LSCsのこの性質が、増殖細胞を標的にする従来の化学療法剤の有効性を減じ、高比率のAML患者が完全な寛解に入るがほぼ例外なく再発し、4年を超えて生存するのは成人の<30%である現在の経験の理由を説明する可能性を示すものとなっている7。また、最小残留疾病発生率および生存率の低さは、AML患者における診断時の高いLSC頻度に帰するものであった8。したがって、新規治療が開発されるAML(ならびに類似の他の上記血液学的癌病態)の長期管理のためには、特にLSCsを除去することが不可避である9~14。] [0006] AML−LSCと正常な造血幹細胞(HSCs)とは、緩徐な分裂、自己複製能力、およびCD34+CD38-表現型などの表面マーカーという共通な性質を有している。しかしながら、LSCsは、他の細胞表面マーカーの発現変化に加えて、自己複製活性の増強を有することが報告されており、これらは双方とも治療法開発の現在の標的となっている。インターロイキン−3(IL−3)は、2つのサブユニット、αサブユニット(CD123)とベータ共通(βc)鎖(CD131)からなる細胞表面受容体との相互作用を介してその作用を媒介する。α鎖とβ鎖との相互作用はIL−3に対する高親和性の受容体を形成し、βc鎖は、引き続くシグナル伝達を媒介する15,16。正常な造血細胞と相対的に、AML芽細胞上のCD123、CD34+白血病性前駆体およびLSCsの過剰発現は広範に報告されており17~23、いくつかの研究では、LSCsのマーカーとして提案されている24、25。CD131はまた、AML細胞上に発現することも報告されているが21、25、AML−LSCs上のCD131発現については相反する報告がある23、25。] [0007] AML細胞上のCD123の過剰発現によって、正常な造血細胞よりも色々な増殖上の利点が与えられ、IL−3に応答して、高比率のAML芽細胞が増殖するという報告がある26~31。さらに、AML細胞上の高レベルのCD123発現は、IL−3に刺激されたSTAT−5活性化のレベル;サイクリング細胞の割合;より原始的な細胞表面表現型;アポトーシスに対する抵抗性に関連していた。臨床的に、AMLにおけるCD123の高発現は、生存時間の短縮、完全寛解率の低下および診断時の多数の芽細胞に関連している19、21、32。] [0008] HSCsに比較したLSCs上のCD123の発現増加により、AML−LSCsの治療標的化に対する機会が提供される。CD123に対して増加させたモノクローナル抗体(MAb)7G3は、IL−3媒介増殖および白血病性細胞株と一次細胞双方の活性化を阻害することが以前示されている33。しかし、標的CD123が機能的にAML−LSCsを害することができるかどうか、および標的CD123がAML−LSCsの骨髄ニッチェにおいて、それらのホーミング、滞留および増殖を阻害することができるかどうかは不明瞭なままである。さらに、AML−LSCsを標的にする7G3の能力におけるIL−3媒介シグナル伝達の直接的阻害対抗体依存性細胞障害作用(ADCC)の相対的寄与は解明されていない。] [0009] 米国特許第6,177,078号明細書(Lopez)は、抗IL−3受容体アルファ鎖(IL−3Rα)モノクローナル抗体7G3、ならびにIL−3RαのN末端ドメイン、特にアミノ酸残基19〜49に結合する7G3の能力を開示している。したがってこの特許は、IL−3の機能をアンタゴナイズすることによる、患者(骨髄性白血病、リンパ腫およびアレルギーなど)におけるIL−3の過剰産生に起因する病態の治療において、IL−3Rαのアミノ酸残基19〜49に対して結合特異性を有する7G3などのモノクローナル抗体またはその抗体断片の使用を開示している。] [0010] 米国特許第6,733,743号明細書(Jordan)は、細胞を、抗体と細胞毒性剤(化学療法剤、毒素またはアルファ線を放射する放射性同位体から選択)との組成物に接触させ、そのことにより、前記組成物が、細胞死を引き起こす上で有効な量でCD123に選択的に結合する、CD123を発現するがCD131は有意に発現しない血液学的癌前駆体細胞を損傷させる方法を開示している。血液学的癌は、白血病またはリンパ腫などの悪性リンパ球増殖性障害であり得る。] [0011] 本発明に至る研究において、本発明者らは、MAb 7G3の能力を試験し、AML−LSCsとHSCsとの間のCD123発現および機能における明白な違いを利用した。MAb 7G3は、IL−3シグナル伝達経路および一次AML細胞の増殖を阻害した。さらに、非肥満性糖尿病/重症複合免疫不全(NOD/SCID)異種移植モデルにおけるAML芽細胞のホーミングおよび移植は、MAb 7G3によって大きく減少し、LSC機能は阻害された。] [0012] 一態様において、本発明は、IL−3Rα(CD123)を発現する白血病性幹細胞を阻害する方法を提供し、この方法は、IL−3Rα(CD123)を発現する白血病性幹細胞と、Fc領域、または増強されたFcエフェクター機能を有する改変Fc領域を含む抗原結合分子とを接触させることを含み、前記抗原結合分子は選択的にIL−3Rα(CD123)に結合する。] [0013] 本発明はまた、患者における血液学的癌病態を治療する方法を提供し、この方法は、Fc領域、または増強されたFcエフェクター機能を有する改変Fc領域を含む有効量の抗原結合分子を患者に投与することを含み、前記抗原結合分子は選択的にIL−3Rα(CD123)に結合する。] [0014] 他の態様において、本発明はまた、IL−3Rα(CD123)を発現する白血病性幹細胞の阻害、または阻害用医薬品の製造における、Fc領域、または増強されたFcエフェクター機能を有する改変Fc領域を含む抗原結合分子の使用を提供し、前記抗原結合分子は選択的にIL−3Rα(CD123)に結合する。] [0015] この態様において、本発明はまた、患者における血液学的癌病態の治療、または治療用医薬品の製造において、Fc領域、または増強されたFcエフェクター機能を有する改変Fc領域を含む抗原結合分子の使用を提供し、前記抗原結合分子は選択的にIL−3Rα(CD123)に結合する。] [0016] 本発明はまた、IL−3Rα(CD123)を発現する白血病性幹細胞を阻害する薬剤を提供し、この薬剤はFc領域、または増強されたFcエフェクター機能を有する改変Fc領域を含む抗原結合分子を含み、前記抗原結合分子は選択的にIL−3Rα(CD123)に結合する。] [0017] この態様において、本発明はまた、患者における血液学的癌病態を治療する薬剤を提供し、この薬剤はFc領域、または増強されたFcエフェクター機能を有する改変Fc領域を含む抗原結合分子を含み、前記抗原結合分子は選択的にIL−3Rα(CD123)に結合する。] 図面の簡単な説明 [0018] MAb7G3が、IL−3に刺激されたCD131のリン酸化、および一次AML細胞の増殖を阻害することを示す図である。(a)2人の個々の患者からの一次AML細胞を、図に示された濃度の抗体と共に、氷上で30分間インキュベートした。洗浄せずに、細胞をIL−3(1nM、37℃で10分間)で刺激した。刺激後、直ちに細胞を溶解させた。細胞溶解物をSDS−PAGE上で操作し、MAb 4G10により免疫ブロットしてから、ブロットをストリップし、充填対照としてのMAb 1C1により再探査した。(b〜e)TCA不溶性物質への3H−チミジンにより評価した一次AML細胞の増殖。(b〜d)3人の個々のAML患者から新鮮単離した単核細胞を、サイトカインの非存在下(Δ、破線)または存在下で、MAb7G3を48時間滴定しながらインキュベートした:1ng/mLでのIL−3(◇、点線)または0.1ng/mLでのGM−CSF(■、実線)。データの点は、3つの点の平均±標準誤差を示す。(e)35人のAML患者からの解凍細胞を、IL−3(1ng/mL)の非存在下または存在下で、MAb 7G3(1μg/mL)により、増殖の阻害に関して分析した。阻害は、試験した35人の患者のうち32人に示された。これらの患者の9人では、増殖レベルはIL−3の非存在下での増殖レベルよりも下に落ちた(構成的増殖)。増殖は、3H−チミジンの取り込みおよび液体シンチレーションカウンターを用いて定量化した。 CD123中和により、NOD/SCIDマウスにおける一次AML細胞のホーミングおよび移植が阻害されることを示す図である。7G3(灰色の棒)またはIgG2a(黒色の棒)(10μg/mL、2時間)へのエキソビボ暴露後、10人の患者からの一次AML細胞の移植(a)、または5個体からの正常な骨髄(NBM)もしくは臍帯血(CB)(b)。抗体処置細胞を致死量以下の放射線照射したNOD/SCIDマウスに移植後、4〜8週間目(a)または4〜11週間目(b)で淘汰し、大腿骨髄中のヒトCD45+細胞の比率をフローサイトメトリーにより推定した。各サンプルに関し、1処置群当たり3匹から10匹のマウスを用いた。AML−8およびAML−8−relは、それぞれ、診断時と再発時における同一患者から採取した白血病性細胞に相当する。NBM−4およびCB−1は、プールしたサンプル起源であった。(c)IgG2a(n=10、実線)または7G3(n=10、点線)エキソビボ処置AML−9細胞を移植したマウスのKaplan−Meier無事象生存曲線。(d)移植24時間後に評価した骨髄および脾臓へのIgG2a(黒色の棒)、7G3(灰色の棒)エキソビボ処置AML−8−relまたはAML−9細胞のホーミング効率。(e)静脈内注入(IV)または大腿内注射(IF)後、IgG2a(白色の棒)または7G3(黒色の棒)エキソビボ処置細胞を移植したマウスにおけるAML−8−rel細胞の移植レベル。IF移植マウスでは、AML細胞が移植された右大腿(RF)における移植レベル、および非移植骨(WBM)における移植レベルが示されている。(d)および(e)では、1処置群当たり、4〜5匹のマウスが用いられた。マウスは、移植5週後に殺処置した。値は、平均値±標準誤差を表す。対照IgG2aマウスと処置マウスとの間の有意差が示されている:*、P<0.05;**、P<0.01;***、P≦0.0001。(f)エキソビボ7G3処置白血病性細胞を注射したNOD/SCIDマウスの骨髄および脾臓にホーミングしたCD34+38-AML細胞の絶対数。AML−8に関しては、1群当たりn=2〜3のマウスであり、AML−9に関しては、1群当たりn=5のマウスであった。値は、平均値±標準誤差を表す。(g)マウスの骨髄および脾臓双方へのエキソビボ処置後、選別したCD34+38-AML−9細胞のホーミング効率。1処置群当たり、n=3のマウス。 NOD/SCIDマウスへの7G3の投与が、AML移植を減少させることを示す図である。(a)移植6時間前に、IgG2a対照または7G3(300μg)の単回投与を受けた放射線照射NOD/SCIDマウスの大腿骨髄中のAML−1細胞の移植レベル。マウスは、移植5週後に淘汰された。(b)IgG2a(黒色の棒)または7G3(灰色の棒)で処置したNOD/SCIDマウスにおけるAML−1、AML−2、およびAML−3の移植。処置は、移植24時間後に開始し、1投与当たり300μg、1日おきに4回投与した。マウスは、移植5週目に淘汰した。(c)骨髄由来細胞上のCD123発現、および(d)マウスに接種され、次いで、移植4日後にIgG2a処置または7G3処置を開始し、合計12回の注射を3回/週投与したAML−1細胞の末梢血および脾臓における移植レベル。マウスは移植5週目に淘汰した。(e)移植28日後にIgG2a処置(点線)または7G3処置(実線)を開始し、殺処置時まで、3回/週を続けた場合の骨髄中のAML−2細胞の移植レベル。1処置群当たり、3匹〜10匹の間のマウスを用いた。値は、平均値±標準誤差を表す。(f)移植後28日目に週3回投与を開始した300μg/投与での7G3またはIgG2a対照4回投与後のNOD/SCIDマウス骨髄中のヒトAML−1細胞のパーセンテージ。個々の記号は各々、単一のマウスから得られた値を表す。IgG2a対照処置マウスと7G3処置マウスとの間の有意差が示されている:*、P<0.05;**、P<0.005。 パート1は、AML疾患が確立されたマウスへの7G3およびAra−Cの投与が、二次レシピエントマウスのLSCの再増殖をブロックすることを示す図である。(a)略図に示されるように、IgG2aまたは7G3のいずれかと組み合わせたAra−Cによって処置した一次マウスの骨髄および脾臓におけるAML−10細胞の移植レベル。(b)骨髄および脾臓へのホーミング効率。(c)移植レベル。(d)(a)で処置し、二次レシピエントマウスに移植したマウスの骨髄から採取した白血病性細胞の二次移植片中のCD34+38-細胞の比率。水平の棒は平均値を示す。IgG2aプラスAra−Cで処置した対照群と7G3プラスAra−Cで処置した群との間の有意差が示されている:*、P<0.05;**、P<0.01。パート2は、(A)7G3処置または対照IgG2a処置の10週間後の骨髄および脾臓におけるAML−10細胞の移植レベルを示す図である。略図に示されるように、抗体処置は、移植後28日目に、週3回、マウス1匹当たり300μgで開始した。(B〜D)二次レシピエントマウスのホーミング効率(B)、骨髄および脾臓における移植レベル(C)、および骨髄中のCD34+38-細胞のパーセンテージ(D)。CおよびDにおけるマウスは、移植後12週目に分析した。各記号は単一のマウスを表し、水平の棒は平均値を示す。対照IgG2a群と7G3群との間で、*、P<0.05;**、P<0.01。パート3は、(A)7G3処置または対照IgG2a処置の10週間後の骨髄および脾臓におけるAML−9細胞の移植レベルを示す図である。略図に示されるように、抗体処置は、移植後28日目に、週3回、マウス1匹当たり300μgで開始した。(B)二次レシピエントマウスの骨髄中の移植のレベルを示す図である。二次マウスは、移植後8週目に分析した。各記号は単一のマウスを表し、水平の棒は平均値を示す。対照IgG2a群と7G3群との間で、**、P<0.01。 ナチュラルキラー(NK)リンパ球性細胞が、AML移植の7G3媒介阻害に寄与することを示す図である。(a)移植のレベルおよび(b)IgG2a(白色の棒)または7G3(黒色の棒)(10μg/mL、2時間)でエキソビボ処置し、先にCD122+NK細胞を枯渇させない(−)またはCD122+NK細胞を枯渇させた(+)NOD/SCIDマウスへ移植したAML−8−rel細胞のホーミング効率。各処置群に4匹のマウスを用いた。値は、平均値±標準誤差を表す。有意差が示されている:*、P<0.05および**、P<0.01。 IL−3依存細胞株およびAML細胞において、IL−3に刺激されたCD131(βc)のリン酸化、STAT−5およびAktを、MAb 7G3は阻害するが、6H6も9F5も阻害しないことを示す図である。(a)TF−1細胞は、種々の濃度の7G3、9F5または6H6と共に、氷上で30分間インキュベートした。洗浄せずに、細胞をIL−3(1nM、37℃で10分間)により刺激した。刺激後直ちに細胞を溶解させ、方法に記載されている通りCD131免疫沈降させた。免疫沈降物をSDS−PAGEにより分離し、リン酸化チロシン残基(4G10)、リン酸化STAT−5またはリン酸化Aktに対する抗体により免疫ブロットした。ブロットをストリップし、充填対照としてのβc(1C1)に対する抗体により再探索した。(b)STAT−5のIL−3に誘導された活性化の7G3阻害は、TF−1細胞株およびM07e細胞株ならびに一次AML−9細胞の細胞内FACS染色によっても確認された。偽処置(点線)、IL−3単独(10ng/mL、2時間、実線)、IL−3プラス7G3(10ng/mL、破線)。 CD34+/CD38-細胞上のCD123発現の強度が、NOD/SCIDマウスにおける移植を阻害する7G3の能力と逆相関していることを示す図である。Y軸は、各患者またはドナー検体に関するCD34+/CD38-画分についてのCD123発現のRFI対数を表す。X軸は、各患者個体またはドナーサンプルに関するIgG2a対照を100%とした%に正規化した7G3エキソビボ処置群の移植レベル対数をプロットしている。各点は、1処置群当たり3〜10匹のマウスからの平均値を反映する個別の実験を表し、各実験は、種々のAML患者(黒塗り記号)または正常な骨髄サンプル(白抜き記号)を用いて実施された。マウスは全て、移植4〜6週間後に分析した。各移植データポイントは、図2aに示された3〜10匹のマウスの測定に基づいた。 AML細胞を標的細胞としてNK細胞におけるCD107a発現を示す図である。正常な健常ドナーからの末梢血単核細胞(PBMCs)を、一次ヒトAML細胞(RMH003)と1:1の比率(A&B)で、IgG1対照(10μg/mL)(A&C)またはCSL360(10μg/mL)(B&D)のいずれかと共に、37℃で3時間インキュベートした。CD107aの非特異的発現を評価するために、PBMCを、標的細胞なしに(1:0)抗体と共に(C&D)インキュベートした。 図8で示した実験で得られたデータの棒グラフを示す図であり、示されているように、抗体を添加していないサンプルも含んでいる。 NOD/SCIDマウスへの接種前に、10μg/mLのIgG2a、完全7G3、6H6または9F5の抗体ならびに7G3のF(ab’)2断片(7G3Fab)および6H6のF(ab’)2断片(6H6 Fab)と共にエキソビボ処置したAML−8−relサンプルのホーミング効率を示す図である。骨髄内へのヒト単核細胞のホーミング効率は、16時間後に測定した。各サンプルに関して、1処置群当たり3匹のマウスを用いた。 10μg/mLのIgG2a、完全7G3または9F5の抗体ならびに7G3のF(ab’)2断片(7G3 Fab)および9F5のF(ab’)2断片(9F5 Fab)と共にエキソビボ暴露した後、致死量以下で放射線照射したNOD/SCIDマウスへの、2人の患者(AML−9およびAML−10)からの一次AML細胞の移植を示す図である。AML移植は、大腿骨髄中のヒトCD45+細胞の比率として、接種4週後に、フローサイトメトリーによって評価した。各サンプルに関し、1処置群当たり5匹のマウスを用いた。 キメラCSL360、ヒトCSL360およびそのFc変種のADCC活性の比較を示す図である。種々の抗体ならびに正常なヒトドナーからの新鮮単離PBMCと共に、カルセインAM標識したCTLEN細胞をインキュベートした。CTLEN細胞に対するPBMCの比率は100:1であった。細胞は、5%のCO2を有する37℃のインキュベーター内で4時間インキュベートした。インキュベート時間後、細胞を遠心分離し、100μLの上澄み液を新鮮なプレートに移した。この上澄み液における蛍光を、Wallacマイクロプレートリーダー(励起フィルター485nm、発光フィルター535nm)を用いて測定した。用いた抗体は、キメラCSL360(白抜きの棒)、ヒト化CSL360(黒塗りの棒)、2つのアミノ酸を変化させたヒト化CSL360(斜線)または3つのアミノ酸を変化させたヒト化CSL360(点状)のいずれかであった。対照として、ヒトIgG1(水平線)および抗体なしのウェル(垂直線)を含めた。 (a)hCSL360ならびにFcRに結合したその3つの変種のBiacore分析を示す図である。huCSL360ならびにその3つの変種は、CD123に結合させたBIAcore CM5チップ上に個々に捕捉した。0.4nMから800nMの範囲の濃度におけるhuFcγRI、huFcγRIIb/cおよびhuFcγRIIIaをそれぞれの表面にフローさせ、それらの応答を用いてKAを判定した。親和性は、相対値を1と定めたhCSL360を上回る増加倍数として報告した。(b)KA値は、4つの抗体各々に関して、huFcγRIIb/cに対するhuFcγRIIIaのA/I比として表した。 エフェクター細胞として正常なPBMCを用いたカルセイン放出アッセイにおいて調べたラージ−CD123陽性細胞のADCC媒介細胞溶解を示す図である。ラージ−CD123低および高エクスプレッサー上で発現したCD123分子の概数は、それぞれ4,815と24,432であった。(a)E:T=25:1におけるラージ−CD123低のADCC媒介細胞溶解(b)E:T=50:1におけるラージ−CD123低のADCC媒介細胞溶解(c)E:T=25:1におけるラージ−CD123高のADCC媒介細胞溶解(d)E:T=50:1におけるラージ−CD123高のADCC媒介細胞溶解。黒三角形はhCSL360Fc3、円形はhCSL360kif、黒円形はCSL360、四角形はhCSL360、星形は抗体無しを表す。 TF−1細胞を標的細胞としたCSL360とその変種のADCC活性の増強を示す図である。抗体のADCC活性はLDHアッセイを用いて調べた。(a)黒三角形はhCSL360Fc3、黒四角形はhCSL360Fc2、白円形はhCSL360kif、黒円形はCSL360、星形は抗体無しを表す。(b)黒三角形は168−26Fc3、黒四角形は168−26Fc2、黒円形は168−26、星形は抗体無しを表す。 一次ヒト白血病性細胞を標的細胞としたCSL360とその変種のADCC活性の増強を示す図である。(a)RMH003 AML、(b)RMH011 AML、(c)RMH010 AML、(d)RMH008 AML、(e)WMH007 AML、(f)RMH009 B−ALL、(g)RMH007 B−ALL。ADCC活性はLDHアッセイを用いて判定した。 白血病移植日からの無事象生存率(EFS)に関するKaplan−Meier曲線として表された、対照MAb(マウスIgG2a)、7G3、168−26および168−26Fc3に対する、ALLを前移植したマウスのインビボ感受性を示す図である。事象は、末梢血中の25%hCD45+負荷として定義する。各群の動物数はそれぞれ、7、6、6、7であった。白血病性増殖遅延(LGD)は、中央値EFSの比較に基づき、対照MAb群よりも長く生存した処置群の日数として定義し、7G3、168−26および168−26Fc3に関して、それぞれ、2.9(P=0.54)、6.4(P=0.13)、12.2(P=0.044)日であった。] 図2a 図8 [0019] 一態様において、本発明は、IL−3Rα(CD123)を発現する白血病性幹細胞を阻害する方法を提供し、この方法は、IL−3Rα(CD123)を発現する白血病性幹細胞と、Fc領域、または増強されたFcエフェクター機能を有する改変Fc領域を含む抗原結合分子とを接触させることを含み、前記抗原結合分子は選択的にIL−3Rα(CD123)に結合する。] [0020] 一態様において、本発明はまた、患者における血液学的癌病態を治療する方法を提供し、この方法は、Fc領域、または増強されたFcエフェクター機能を有する改変Fc領域を含む有効量の抗原結合分子を患者に投与することを含み、前記抗原結合分子は選択的にIL−3Rα(CD123)に結合する。] [0021] 前記患者はヒトであることが好ましい。] [0022] 前記抗原結合分子は、Fc領域、または増強されたFcエフェクター機能を有する改変Fc領域を含むモノクローナル抗体または抗体断片であることが好ましい。] [0023] 抗体は、体液性免疫と細胞性免疫との間の連係を提供し、IgGは最も多量に存在する血清免疫グロブリンである。抗体のFab領域は抗原を認識するが、Fc部分は、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、単核食細胞または樹状細胞などの全ての免疫補助細胞によって異なって発現されるFcγ受容体(Fcγ Rs)に結合する。このような結合はこれらの細胞上のFcRと架橋し、その結果それらは活性化する。これらの細胞の活性化は、いくつかの結果をもたらす。例えば、NK細胞は癌細胞を死滅させ、また細胞増殖および腫瘍関連血管新生を抑制することのできるサイトカイン類やケモカイン類を放出し、主要組織適合抗原(MHC)抗原の細胞表面発現の増加を介して腫瘍免疫原性を増大させる。多価抗原/抗体複合体により受容体が架橋すると、エフェクター細胞の脱顆粒およびサイトカインコード遺伝子の転写活性化が引き起こされ、引き続き標的細胞の細胞溶解または食作用が生じる。] [0024] 抗体Fc領域により媒介されるエフェクター機能は次の2つのカテゴリーに分けることができる。(1)抗原に対する抗体の結合後に働くエフェクター機能(これらの機能には、例えば、補体カスケードまたはFc受容体(FcR)担持細胞の寄与が含まれる);(2)抗原結合とは独立して働くエフェクター機能(これらの機能は、例えば循環における持続性および経細胞輸送による細胞バリアを超えて移動される能力を与える)。例えば、抗体に対する補体のC1要素の結合は、複合体系を活性化する。補体の活性化は、オプソニン化および細胞病原体の細胞溶解において重要である。補体の活性化はまた、炎症性応答を刺激し、自己免疫過感受性に関与し得る。さらに、抗体はFc領域を介して細胞に結合し、抗体のFc領域上のFc受容体結合部位が、細胞上のFc受容体(FcR)に結合する。細胞表面上のFc受容体に対する抗体の結合は、抗体で被覆された粒子の飲み込みと破壊、免疫複合体のクリアランス、抗体で被覆された標的細胞のキラー細胞による細胞溶解(抗体依存性細胞媒介細胞毒性、またはADCCとして知られる)、炎症伝達物質の放出、胎盤輸送および免疫グロブリン産生の制御などの重要で広範な多数の生物学的応答を引き起こす。] [0025] 抗原結合分子におけるFc領域または増強されたFcエフェクター機能を有する改変Fc領域の存在が、CD123を発現する白血病性幹細胞の阻害にとって重要であり、したがって、白血病性幹細胞に関連した血液学的癌病態の治療において重要であることを、本発明者らは示した。] [0026] 本発明に従って治療し得る白血病性幹細胞(LSCs)に関連した血液学的癌病態としては、白血病(急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ様白血病、慢性リンパ様白血病および骨髄異形成症候群など)ならびにリンパ腫(多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、ならびに小細胞および大細胞濾胞性リンパ腫など)を含む悪性リンパ球増殖性病態が挙げられる。] [0027] 本明細書に用いられる用語「抗原結合分子」とは、キメラ、ヒト化またはヒトモノクローナル抗体などのモノクローナル抗体を含む完全免疫グロブリン、または免疫グロブリンの結合相手、例えば宿主細胞タンパク質に対する特異的結合に関して完全免疫グロブリンと競合する免疫グロブリンの抗原結合性および/または可変ドメイン含有性の断片のことである。構造に関わりなく、抗原結合性断片は、完全免疫グロブリンによって認識されるものと同じ抗原に結合する。抗原結合性断片は、合成的に、または完全免疫グロブリンの酵素的もしくは化学的開裂により作製できるか、または組換えDNA技法により遺伝子操作できる。抗原結合分子およびそれらの断片の作製方法は、当業界によく知られており、例えば、参照として本明細書に援用されている、Antibodies:A Laboratory Manual、Edited by E.Harlow and D.Lane(1988)、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、New Yorkに記載されている。] [0028] 白血病性幹細胞に関して本明細書に用いられる用語「阻害」には、LSCsの機能性または活性(成長または増殖および生存活性など)における何らかの低下、特に生存、増殖および/または白血病の前駆体もしくは他の悪性過増殖血液学的癌細胞へ分化するLSCの能力における低下または制限が含まれる。] [0029] 結合分子、例えば抗体とその結合相手、例えば抗原との相互作用に関して本明細書に用いられる用語「結合選択性」は、相互作用が特定の構造、例えば、結合相手上の抗原決定因子またはエピトープの存在に依存することを意味する。言い換えると、結合相手がたとえ他の分子または生物の混合物中に存在する場合でも、抗体はその結合相手に優先的に結合または認識する。] [0030] 用語「有効量」とは、血液学的癌病態の治療に有効な本明細書に定義された結合分子の量のことである。] [0031] 用語「治療」とは、治療処置のこと、ならびに病態を治癒もしくは停止させるか、または少なくともその進行を遅らせるための予防的または防止的な手段のことである。治療を必要としている者には、すでに血液学的癌病態に罹っている者、ならびにこのような病態を予防しようとする者が含まれる。前記病態から部分的にまたは完全に回復した対象もまた治療が必要である場合もある。予防には、血液学的癌病態に関連した症状の1つまたは複数の発症、発現または進行の抑制または減少が包含される。] [0032] 本発明の方法において、患者への化学療法剤の投与は、抗原結合分子の投与と組み合わせることができ、化学療法剤は、抗原結合分子の投与の前、同時、または後のいずれかに投与される。] [0033] 化学療法剤は、細胞毒性剤、例えば以下からなる群から選択される細胞毒性剤であることが好ましい: (a)マスタードガス誘導体:メクロレタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン、およびイホスファミド (b)エチレンイミン類:チオテパおよびヘキサメチルメラミン (c)アルキルスルホネート類:ブスルファン (d)ヒドラジン類およびトリアジン類:アルトレタミン、プロカルバジン、ダカルバジンおよびテモゾロミド (e)ニトロソ尿素類:カルムスチン、ロムスチンおよびストレプトゾシン (f)金属塩類:カルボプラチン、シスプラチン、およびオキサリプラチン (g)ビンカアルカロイド類:ビンクリスチン、ビンブラスチンおよびビノレルビン (h)タキサン類:パクリタキセルおよびドセタキセル (i)ポドフィロトキシン類:エトポシドおよびテニポシド (j)カンプトテシン類縁体:イリノテカンおよびトポテカン (k)アントラサイクリン類:ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、ミトキサントロンおよびイダルビシン (l)クロモマイシン類:ダクチノマイシンおよびプリカマイシン (m)その他の抗癌抗生物質:マイトマイシンおよびブレオマイシン (n)葉酸アンタゴニスト:メトトレキサート (o)ピリミジンアンタゴニスト:5−フルオロウラシル、フォクスリジン(Foxuridine)、シタラビン、カペシタビン、およびゲムシタビン (p)プリンアンタゴニスト:6−メルカプトプリンおよび6−チオグアニン (q)アデノシンデアミナーゼ阻害剤:クラドリビン、フルダラビン、ネララビンおよびペントスタチン (r)トポイソメラーゼI阻害剤:イロノテカンおよびトポテカン (s)トポイソメラーゼII阻害剤:アムサクリン、エトポシド、エトポシドリン酸塩およびテニポシド (t)リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤:ヒドロキシ尿素 (u)副腎皮質ステロイド阻害剤:ミトタン (v)酵素類:アスパラギナーゼおよびペガスパルガーゼ (w)微小管阻害剤:エストラムスチン (x)レチノイド類:ベキサロテン、イソトレチノインおよびトレチノイン(ATRA)。] [0034] 化学療法剤の他の例としては、限定はしないが、アシビシン;アクラルビシン;アコダゾール塩酸塩;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン;アメタントロン酢酸塩;アミノグルテチミド;アナストロゾール;アントラサイクリン;アントラマイシン;アスペルリン;アザシチジン(Vidaza);アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;ビサントレン塩酸塩;ビスナフィドジメシレート;ビスホスホネート類(例えば、パミドロネート(Aredria)、ナトリウムクロンドロネート(Bonefos)、ゾレドロン酸(Zometa)、アレンドロネート(Fosamax)、エチドロネート、イバンドルネート、シマドロネート、リセドロメート、およびチルドロメート);ビゼレシン;ビレキナルナトリウム;ブロピリミン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチメル;カルヌスチン;カルビシン塩酸塩;カルゼレシン;セデフィンゴール;シロレマイシン;クリスナトールメシレート;デシタビン(Dacogen);脱メチル化剤;デキソルマプラチン;デザグアニン;デザグアニンメシレート;ジアジクオン;ドロロキシフェン;ドロロキシフェンクエン酸塩;ドロモスタノロンプロピオン酸塩;デュアゾマイシン;エダトレキサート;エフロルニチン塩酸塩;EphA2阻害剤;エルサミツルシン;エンロプラチン;エンプロメート;エピプロピジン;エルブロゾール;エソルビシン塩酸塩;エタニダゾール;エトプリン;ファドロゾール塩酸塩;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスリジン;フルロシタビン;フォスキドン;フォストリエシンナトリウム;ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDAC−Is);イルモフォシン;イマチニブメシレート(Gleevec、Glivec);イプロプラチン;ランレオチド酢酸塩;レナリドミド(Revlimid);レトロゾール;ロイプロリド酢酸塩;リアロゾール塩酸塩;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;ロソキサントロン塩酸塩;マソプロコル;メイタンシン;メゲストロール酢酸塩;メレンゲストロール酢酸塩;メノガリル;メトプリン;メトウレデパ;メチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトジリン;ミトマルシン;ミトスペル;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;ペリオマイシン;ペンタムスチン;ペプロマイシン硫酸塩;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;ピロキサントロン塩酸塩;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;プロマイシン;プロマイシン塩酸塩;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;サフィンゴール;サフィンゴール塩酸塩;セムスチン;シムトラゼン;スパルフォセートナトリウム;スパルソマイシン;スピロゲルマニウム塩酸塩;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム;テガフル;テロキサントロン塩酸塩;テモポルフィン;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チアゾフリン;チラパザミン;トレミフェンクエン酸塩;トレストロン酢酸塩;トリシリビンリン酸塩;トリメトレキサート;トリメトレキサートグルクロン酸塩;トリプトレリン;ツブロゾール塩酸塩;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;ビンデシン;ビンデシン硫酸塩;ビネピジン硫酸塩;ビングリシネート硫酸塩;ビンロイロシン硫酸塩;ビンロシジン硫酸塩;ビンゾリジン硫酸塩;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;ゾルビシン塩酸塩;20−エピ−1,25ジヒドロキシビタミンD3;5−エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL−TKアンタゴニスト類;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドックス;アミフォスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管新生阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリックス;アンチアンドロゲン、前立腺癌;アンチエストロゲン;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド類;アフィジコリングリシン酸塩;アポトーシス遺伝子モジュレーター類;アポトーシス調節剤;アプリン酸;アラ−CDP−D L−PTBA;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト類;ベンゾクロリン類;ベンゾイルスタウロスポリン;ベータラクタム誘導体;ベータ−アレチン;ベータクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビサジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフレート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリポックスIL−2;カルボキサミド−アミノ−トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリックス;クロルルンス(chlorlns);クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス−ポルフィリン;クロミフェン類縁体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類縁体;コナゲニン;クランベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタントラキノン類;シクロプラタム;シペマイシン;細胞溶解性因子;シトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデミンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド;デキスラゾキサン;デキシベラパミル;ジアジクオン;ジデミンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ−5−アザシチジン;ジヒドロタキソール;ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセリン;エコムスチン;エデルフォシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフル;エプリステリド;エストラムスチン類縁体;エストロゲンアゴニスト類;エストロゲンアンタゴニスト類;エタニダゾール;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルオロダウノルニシン塩酸塩;フォルフェニメックス;フォルメスタン;フォストリエシン;フォテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;ガリウム硝酸塩;ガロシタビン;ガニレリックス;ゼラチナーゼ阻害剤;グルタチオン阻害剤;HMGCoAレダクターゼ阻害剤(例えば、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、レスコール、ルピトール、ロバスタチン、ロスバスタチン、およびシンバスタチン);ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イドキシフェン;イドラマントン;イルモフォシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン類;イミキモド;インスリン様成長因子−1受容体阻害剤;インターフェロンアゴニスト類;インターフェロン類;インターロイキン類;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール、4−イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリン−Nトリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;レンチナン硫酸塩;レプトールスタチン;レトロゾール;ロイプロリドおよび、エストロゲン、ならびにプロゲステロン;ロイプロレリン;レバミゾール;LFA−3TIP(Biogen、Cambridge、MA;国際公開第93/0686号パンフレットおよび米国特許第6,162,432号明細書);リアロゾール;線状ポリアミン類縁体;親油性二糖ペプチド;親油性白金化合物;リソクリナミド7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解性ペプチド類;メイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコル;マトリリシン阻害剤;マトリックス金属ロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテフォシン;ミリモスチム;ミスマッチド二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;ミトナフィド;ミトトキシン線維芽細胞成長因子−サポリン;モファロテン;モルグラモスチム;モノホスホリルリピドA+ミオバクテリウム細胞壁sk;モピダモル;多剤耐性遺伝子阻害剤;多重腫瘍サプレッサー1ベース療法;マスタード抗癌剤;ミカペルオキシドB;ミコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N−アセチルジナリン;N置換ベンズアミド類;ナファレリン;ナグレスチップ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;ニルタミド;ニサマイシン;酸化窒素モジュレーター類;窒素酸化物抗酸化剤;ニトルリン;O6−ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド類;オナプリストン;オラシン;経口サイトカインインデューサー;オルマプラチン;オサテロン;オキサウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセル類縁体;パクリタキセル誘導体;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニルアセテート;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニル;ピロカイン塩酸塩;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセシンB;白金複合体;白金化合物;白金−トリアミン複合体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビス−アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;タンパク質Aベース免疫モジュレーター;タンパク質キナーゼC阻害剤;ミクロアルガル;タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン類;ピラゾロアクリジン;ピドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン結合体;rafアンタゴニスト類;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras−GAP阻害剤;脱メチル化レテリプチン;レニウムRe186エチドロネート;リゾキシン;RIIレチナミド;ログレチミド;ロヒツカイン;ロムルチド;ロキニメックス;ルビギノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi1模倣物;セムスチン;セネセンス誘導阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド類;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達調節剤;ガンマセクレターゼ阻害剤、シゾフィラン;ソブゾキサン;ナトリウムボロカプテート;ナトリウムフェニルアセテート;ソルベロール;ソネルミン;スパルホス酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンギスタチン1;スクワラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分裂阻害剤;スチピアミド;ストロメリシン阻害剤;スルフィノシン;超活性血管作用性小腸ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ;スラミン;スウェインソニン;合成グリコサミノグリカン類;タリムスチン;ロイコボリン;タモキシフェンメチオダイド;タウロムスチン;タゾロテン;テコガランナトリウム;テガフル;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブ ラスチン;チオコラリン;トロンボポイエチン;トロンボポイエチン模倣物;チマルファシン;チモポイエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;スズエチルエチオプルプリン;チラパザミン;チタノセンビクロリド;トプセンチン;トレミフェン;トチポテント幹細胞因子;翻訳阻害剤;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン類;UBC阻害剤;ウベニメックス;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト類;バプレオチド;バリオリンB;ベクターシステム、エリスロサイト遺伝子療法;サリドマイド;ベラレゾール;ベラミン;ベルジン類;ベルテポルフィン;ビンキサルチン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;およびジノスタチンスチマラマーが挙げられる。] [0035] 本発明により、Fc領域または増強されたFcエフェクター機能を有する改変Fc領域を含む抗原結合分子は、非経口投与経路によって患者に投与されることが好ましい。非経口投与には、注射、注入などによる投与を含めた、消化管を通さない(すなわち、非経腸)任意の投与経路が含まれる。注射による投与としては、例えば、静脈(静脈内)、動脈(動脈内)、筋肉(筋内)および皮膚下(皮下)が挙げられる。抗原結合分子は、所望の薬理学的効果を得るのに十分な投与量で、デポー剤で、または徐放製剤で経皮投与または筋肉投与することもできる。] [0036] 本発明の一実施形態において、抗原結合分子は、改変Fc領域、より具体的には、Fc受容体に対する結合親和性の増強、抗体依存性細胞の細胞毒性(ADCC)および補体依存性細胞毒性(CDC)などのエフェクター機能の増強を提供するために改変されたFc領域を含む。IgGクラスの抗体では、これらのエフェクター機能は、種々の免疫細胞上に発現するFcγ受容体(FcγRs)と称される受容体のファミリーとFc領域との係合によって制御される。Fc/FcγR複合体の形成により、これらの細胞が抗原結合部位に動員され、一般にはシグナル伝達および引き続く免疫応答がもたらされる。エフェクター機能を増強させるため、特に、「親」Fc領域に比較してADCC活性および/またはCDC活性を変化させるために、抗体のFc領域に対するFcγRsの結合親和性を最適化する方法は、当業者によく知られている。単に例として挙げれば、Fc領域に対する結合親和性を最適化する手法は、Niwa et al.34、Lazar et al.35、Shieldset al.36、およびDesjarlais et al.37に記載されている。これらの方法は、関連するFc受容体との相互作用を増強させて、抗体依存性細胞媒介細胞毒性(ADCC)および抗体依存性細胞媒介食作用(ADCP)を促進させる可能性を高めるための抗体のFc領域の改変を含み得る34。Fc領域における保存Asn297においてIgG1抗体に共有結合したオリゴ糖の改変によるADCC活性の増強も記載されている35,36。他の方法としては、Fcエフェクター機能を増強させた抗体を固有に産生する細胞株の使用が挙げられる(例えば、ウィルスワクチンの作製に関するアヒル胚由来幹細胞、国際公開第2008/129058号パンフレット;鳥類EBX(登録商標)細胞における組換えタンパク質産生、国際公開第2008/142124号パンフレット)。CDC活性を増強させる方法としては、IgG3サブクラスの部分が、IgG1サブクラスの対応する領域内へ導入されるイソ型キメラ現象を挙げることができる(例えば、組換え抗体組成物、米国特許出願公開第2007148165号明細書)。] [0037] 他の態様において、本発明は、IL−3Rα(CD123)を発現する白血病性幹細胞の阻害、または阻害用医薬品の製造における、Fc領域、または増強されたFcエフェクター機能を有する改変Fc領域を含む抗原結合分子の使用を提供し、前記抗原結合分子は選択的にIL−3Rα(CD123)に結合する。] [0038] この態様において、本発明はまた、患者における血液学的癌病態の治療、または治療用医薬品の製造において、Fc領域、または増強されたFcエフェクター機能を有する改変Fc領域を含む抗原結合分子の使用を提供し、前記抗原結合分子は選択的にIL−3Rα(CD123)に結合する。] [0039] さらに他の態様において、本発明は、IL−3Rα(CD123)を発現する白血病性幹細胞を阻害する薬剤を提供し、この薬剤は、Fc領域、または増強されたFcエフェクター機能を有する改変Fc領域を含む抗原結合分子を含み、前記抗原結合分子は選択的にIL−3Rα(CD123)に結合する。] [0040] この態様において、本発明はまた、患者における血液学的癌病態を治療する薬剤を提供し、この薬剤は、Fc領域、または増強されたFcエフェクター機能を有する改変Fc領域を含む抗原結合分子を含み、前記抗原結合分子は選択的にIL−3Rα(CD123)に結合する。] [0041] 本発明のこの態様の薬剤は、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤および/または希釈剤と共に抗原結合分子を含む製薬組成物であり得る。] [0042] 非経口投与に好適な組成物は、好ましくはレシピエントの血液に等張な活性成分の滅菌水性製剤を含むのが便利である。この水性製剤は、好適な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いる公知の方法により製剤化できる。この滅菌注射用製剤はまた、非毒性の非経口的に許容できる希釈剤または溶媒中の滅菌注射用の溶液または懸濁液であり得、例えば、ポリエチレングリコールおよび乳酸中の溶液としてあり得る。使用し得る許容できる媒体および溶媒の中でも、水、リンガー液、好適な炭水化物(例えば、スクロース、マルトース、トレハロース、グルコース)および等張な塩化ナトリウムがある。また、滅菌の不揮発性油は、溶媒として、または懸濁媒体として使用するのが便利である。この目的で、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドなどの任意の無刺激油が使用できる。また、オレイン酸などの脂肪酸が注射用製剤に使用される。] [0043] このような治療用組成物の製剤は、当業者によく知られている。好適な薬学的に許容される担体および/または希釈剤としては、いずれかのおよび全ての従来の溶媒、分散剤、媒体、増量剤、固体担体、水性溶液、コーティング剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張化剤および吸収遅延剤などが挙げられる。このような薬学的活性物質のための媒体ならびに試剤の使用は、当業界によく知られており、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、18th Edition、Mack Publishing Company、Pennsylvania、USAに記載されている。従来の任意の媒体または試剤が、活性成分に不適合性でない限り、本発明の製薬組成物におけるそれらの使用が考慮される。補助的な活性成分もまたこれらの組成物中に組み込むことができる。] [0044] 本明細書ならびに以下の特許請求の範囲を通して、文脈により別様に必要とされない限り、「含む」という用語および、または「含んでいる」などの変形は、記述された整数もしくはステップまたは整数もしくはステップの群を含むが、他の任意の整数もしくはステップまたは整数もしくはステップの群を除外するものでないことは理解されるであろう。] [0045] 任意の先行刊行物(またはそれに由来する情報)または公知の任意の事項に対する本明細書における記述は、先行刊行物(またはそれに由来する情報)または公知の事項が、本明細書が関連する努力分野における共通の一般的知識の一部を形成するとの認知または承認または何らかの形態の示唆と考えられてはおらず、また考えるべきではない。] [0046] 本発明はさらに、以下の非限定的である実施例によって説明される。] [0047] 実施例1 本実施例では、MAb 7G3の能力を証明し、AML−LSCsとHSCsとの間のCD123発現および機能における明白な違いを利用する。MAb 7G3はIL−3シグナル伝達経路および一時AML細胞の増殖を阻害する。さらに、NOD/SCID異種移植モデルにおけるAML芽細胞のホーミングおよび移植が、MAb 7G3によって著しく減少し、LSC機能が阻害される。] [0048] 方法 AML患者サンプル、正常造血細胞、および細胞株 アフェレーシス産物、骨髄または末梢血サンプルは、AMLに罹っている新たに診断した患者および再発患者から得た。患者サンプルは、施設内ガイドラインによるインフォームドコンセント後に採取し、試験は、Royal Adelaide Hospital Human Ethics Committee、Melbourne Health Human Research Ethics Committee、Research Ethics Board of the University Health Network、およびthe South Eastern Sydney & Illawarra Area Health Service Human Research Ethics Committeeにより承認された。診断は、細胞形態学、細胞遺伝学、白血球抗原発現を用いて行い、仏国−米国−英国(FAB)分類に従って評価した。単核細胞は、Lymphoprep分離またはFicoll密度勾配分離によって濃縮し、液体窒素中で凍結した。ヒト臍帯血およびBM細胞は、それぞれ、予定日正常分娩または股関節置換手術を受けていて同意を得た患者から得たか、またはCambrex(米国)から市販品を得、先に記載したとおりに処理した38。] [0049] 増殖アッセイ IL−3またはGM−CSFに対するAML細胞増殖応答を、先に記載したとおり、[3H]−チミジンアッセイによって測定した39。簡単に述べると、96ウェルプレートで1ウェル当たり2×104単核細胞を、200μlのIMDM+10%の熱不活化ウシ胎仔血清(HI−FCS)(Hyclone、Utah)中、0.001nM〜10nMの7G3、またはイソ型マッチド対照BM4(IgG2a)の存在下、IL−3(1nM)またはGM−CSF(0.1nM)により、37℃、5%CO2で48時間刺激し、培養の最後の6時間は、3H−チミジン(MP Biomedicals、NSW、Australia)の0.5μCiを加えた。Packard Filtermate細胞ハーベスター(Perkin Elmer、Victoria、Australia)を用いて、細胞をグラスファイバー紙上に沈積させ、Top Count(Perkin Elmer)を用いてカウントした。サイトカイン類および抗体は全て、市販品を入手(R&D Systems、Minneapolis、MN)したか、またはCSL Limited(Melbourne、Australia)により供給された。] [0050] サイトカインシグナル伝達 シグナル伝達タンパク質のリン酸化を、免疫沈降および免疫ブロットにより検出した。TF−1細胞およびAML MNC細胞を洗浄し、成長因子非存在下で、0.5%のHI−FCS(Hyclone、Utah)または0.5%のヒトアルブミン(CSL、Melbourne、Australia)と共に、IMDM媒体中で、18時間静止状態にした。1億個の細胞をIgG2a(100nM)、9F5、6H6(非ブロック抗CD123抗体)、または7G3(0.0001〜100nM)と共に、氷上30分間インキュベートし、次いで、50ng/mLのIL−3により、37℃で15分間刺激した。細胞を、NP−40細胞溶解緩衝液40中で溶解させ、1C1およびセファロースビーズに結合させた8E4抗体を用いて、ヒトβc(CD131)を免疫沈降させた。免疫沈降物を、先に記載したとおり、SDS−PAGEおよび免疫ブロットに供した41。免疫ブロットを探索するために用いた抗体は:4G10、抗ホスホチロシンMAbs(Upstate Biotech、Lake Placid、NY)、抗ホスホ−Akt Ser473(Cell Signaling、Beverly、MA);ならびに抗リン酸化シグナルトランスデューサーおよび転写5(STAT−5)Mabのアクチベーター(Zymed、San Francisco、CA)であった。抗体は全て、製造元の指示に従って使用した。シグナルは、増強化学ルミネセンス(ECL;Amersham PharmaciaまたはPieceからのWest Dura)を用いて発色させた。] [0051] STAT−5活性化はまた、白血病細胞株のM07eおよびTF1、ならびに一次AML細胞について細胞内FACSによって検出した。細胞は、MEDMプラス10%FCSおよび10ng/mLのhuIL−3(CSL、Melbourne、Australia)中、60分間インキュベートし、BD Cytofix(商標)緩衝液(Becton−Dickinson)により固定し、引き続きメタノール透過処理した。次いで細胞を、抗ホスホSTAT−5(Becton−Dickinson)により染色し、FACSCalibur(Becton−Dickinson)を用いて分析した。] [0052] エキソビボ抗体処理 解凍AMLまたは正常造血細胞を、15〜20%のBIT(Stemcell Technologies、Vancouver、BC Canada)を添加したX−VIVO 10(Cambrex BioScience)中、対照のIgG2aまたは7G3と共に、37℃で2時間インキュベートしてから、再取り込みアッセイのため(以下を参照)致死量以下で放射線照射したNOD/SCIDマウス内へ静脈内移植した。移植を、4〜10週目に2つの異なる時点で測定した。] [0053] AMLのインビボ抗体処理 インビボ試験のため、対照のIgG2aまたは7G3(1回の注射当たり、300〜500μg)を各図の説明文に記載されたスケジュールで週3回、マウスに腹腔内注射した。シタラビン(Ara−C)による7G3の相乗効果の可能性を調べるために、移植35日後、500μgの抗体を1日1回、3日間連続して注射し、引き続き、40mg/kg/日でAra−Cを5日間連続腹腔内注射した。さらに4週間、週3回、1回の注射当たり500μgでの抗体処置を再開し、その後、最後の抗体注射の3日後に移植を測定した。] [0054] NOD/SCIDマウスへのヒト細胞の異種移植 University Health Network/Princess Margaret Hospital Animal Care CommitteeまたはUniversity of New South Walesのthe Animal Care and Ethics Committeeにより承認された施設内指針の下で、動物試験を実施した。NOD/SCIDマウスへのヒト細胞の移植は、先に記載したとおりに行った38。簡単に述べると、全てのマウスが、マウス1匹当たり、500〜1000万のヒト細胞を静脈内(i.v.)移植または大腿内移植前に、致死量以下の放射線照射(250〜350cGy)を受けた。抗CD122抗体は、ハイブリドーマ細胞株TM−β1(兵庫健康科学大学のT.Tanaka教授により恵与)42から精製し、先に記載したとおりナチュラルキラー細胞枯渇のための放射線照射の直後に、200μgをマウスに腹腔内注射した43。同様に、マウス1匹当たり、800万の正常骨髄細胞、または100万の選別CD34+正常骨髄細胞または3×105の系列枯渇CD34+正常臍帯血細胞を静脈内移植した。ヒトAMLの移植レベル、ならびにマウス骨髄中の正常造血細胞、末梢血、肝臓および脾臓を、フローサイトメトリーによるhCD45+細胞のパーセンテージに基づいて評価した。LSC活性に及ぼす7G3の効果を測定するために、IgG2a処置群または7G3処置群において、先に移植したマウスの骨髄から単離したヒト細胞と同数の(900万細胞/マウス)の静脈内移植により二次移植も行った。] [0055] ホーミングアッセイ 一次患者サンプルからのまたは移植マウスから採取した同数のヒト細胞を、致死量以下に放射線照射したNOD/SCIDマウスへ静脈内注射した。注射の16〜24時間後、ヒト細胞に関し、5×104〜1×105の採集結果を用いて、レシピエントマウスの骨髄、脾臓、および末梢血からの単核細胞を、フローサイトメトリーによって分析した。マウス組織内へのヒト細胞のホーミング効率を、特定臓器内に見られる注射細胞の%を測定することによって判定し、式:組織内で評価されたhuCD45+細胞の%×特定組織内の細胞総数/注射したヒト細胞の総数×10044~46によって算出した。] [0056] 細胞染色およびフローサイトメトリー 処置マウスの骨髄、脾臓、肝臓および末梢血からの細胞を、先に記載したとおり2、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)結合抗マウス抗体ならびにフィコエリスリン−シアニン5(PC5、Beckman−Coulter)抗体またはアロフィコシアニン(APC、BiolegendおよびBecton−Dickinson)結合抗ヒト抗体により染色した。CD123発現を、フィコエリスリン(PE)結合抗ヒトCD123抗体(クローン9F5)により測定した。7G3処置マウスから回収したヒト細胞上の7G3結合を、9F5−PE、または7G3−PEにより、二通りのサンプルを染色することにより測定した。これら2種のクローンは、完全に別個のエピトープに結合し、非処置一次細胞における蛍光と同様のレベルを生じるからである(データは示していない)。7G3結合のレベルは、式:[(9F5—PE検出CD123のRFI)−(7G3−PE検出CD123のRFI)]÷(9F5—PE検出CD123のRFI)×100により算出した。免疫表現型および幹細胞集団は、一連の抗ヒト抗体:抗CD15−FITC、PEに結合した抗CD14、抗CD19−PE、抗CD33−PE、抗CD34−FITCまたはCD34−PC5、および抗CD38−PEまたはPE−シアニン7(別様に記述しない限り、抗体は全て、Becton−Dickinsonから)を用いて同定した。陰性細胞の99.9%を排除するために、イソ型対照抗体を用い、細胞は、FACScanまたはFACS Caliburフローサイトメーター(Becton−Dickinson)を用いて分析した。] [0057] 統計解析 データは、平均値±標準誤差として表している。群間差の有意性は、スチューデントt検定を用いて決定した。] [0058] 結果 モノクローナル抗体7G3は、IL−3依存性細胞株および一次AML細胞におけるIL−3媒介シグナル伝達をブロックする。 IL−3R受容体αサブユニット(IL−3Rα、CD123)に対して増加させたモノクローナル抗体7G3は、CD123に対するIL−3結合を阻害すると共に、白血病性細胞株(TF−1)の増殖、ヒト好塩基球からのヒスタミン放出、および内皮細胞活性化などのインビトロIL−3媒介効果を阻害することが先に示されている33。これらの所見に矛盾せず、MAb 7G3は、TF−1細胞および一次ヒトAML細胞における細胞内シグナル伝達を阻害することが判明した。IL−3(1nM)による成長因子誘導TF−1細胞の刺激により、受容体βサブユニット(CD131)のチロシンリン酸化、ならびにSTAT−5および細胞増殖と生存に役割を果たすAkt下流シグナル伝達分子の活性化がもたらされる(図6a)。CD131チロシンリン酸化、ならびにSTAT−5およびAktの活性化は、1nMの濃度の7G3と共に細胞をインキュベートすることによって阻害され、10nMの濃度でさらに減少し、100nMの濃度では完全にブロックされ、7G3に関して報告された900pMのKdに矛盾しない33。IL−3結合をブロックしないCD123に対する2つの中和不良の抗体、9F5および6H6は、IL−3媒介シグナル伝達の阻害に無効であった(図6a)。IL−3依存性白血病細胞株TF−1およびMO7eにおける7G3によるSTAT−5のIL−3刺激リン酸化の阻害もまた、フローサイトメトリーアッセイによって実証された(図6b)。一次AML細胞において、細胞生存40の促進に関与するシグナルであるCD131のチロシン577のIL−3依存性リン酸化を、MAb 7G3が濃度依存的様式で選択的に阻害したことは重要である(図6a)。同様に、7G3はまた、フローサイトメトリーで測定すると、一次AML細胞におけるIL−3刺激STAT−5リン酸化も減少させた(図6b)。MAb 7G3によるIL−3シグナル伝達のこの選択的阻害は、IL−3結合をブロックするその能力と矛盾せず、以前はCD131(β鎖)を発現しないと報告されていた25白血病性幹細胞が、もっぱらCD123(α鎖)を介してシグナル伝達し得るかどうかという重要な疑問が生じる。] 図6a 図6b [0059] AML白血病性幹細胞上で、CD123(IL−3R受容体α鎖)はCD131(受容体β鎖)と共発現する。 AML患者からのCD34+/CD38-細胞上のCD123の過剰発現は広範に報告されており17~21、いくつかの研究では、白血病性CD34+/CD38-幹細胞(LSC)のマーカーとして提案されている24、25。現在の研究では、多くのAMLサンプル上のCD123発現が、2つの異なる研究室で独立して測定されている。CD34+/CD38-細胞上のCD123発現(RFI67.7±24.2、n=9)は、正常の造血CD34+/CD38-細胞上のCD123発現(RFI 17.1±8.6、n=4、P=0.21)よりも有意に高く(データは下表1にまとめてある)、他の報告17~21、24、25と矛盾しなかった。この過剰発現は、フローサイトメトリーで測定すると、GM−CSF受容体α鎖(CD116)がAMLサンプル中の等しい集団において発現しなかった点で、選択的であるようだ。その代わり、GM−CSF受容体α鎖は、CD34-芽細胞上に多く発現した(データは示していない)。さらに、フローサイトメトリーおよびPCR分析は、CD123を発現するCD34+細胞はCD131も発現し(データは示していない)、シグナル変換がCD123単独を介して生じるのではなく、古典的なヘテロダイマーIL−3受容体を介して生じることを示唆しており、これもCD131リン酸化データによって裏付けられている(図1a)。さらに、正常のCD34+/CD38-前駆体細胞と悪性のそれとの間のCD123発現レベルの差は、7G3がLSCを選択的に標的化するが、正常の造血幹細胞は標的にしない根拠を提供している。] 図1a [0060] 7G3は、インビトロで一次AML細胞の自然な増殖およびIL−3に誘導された増殖を阻害する。 38人の一次AML患者サンプルを用いて、IL−3に誘導された増殖を阻害する7G3の能力を調べた。3つの一次サンプルの代表的なプロットを図1b〜1dに示す。7G3は、32/35サンプルにおけるIL−3に誘導された増殖を阻害した(図1e)が、GM−CSFに刺激された増殖は阻害しなかった(図1b〜1d)。外来的に添加した成長因子の非存在下で、7G3はまた、いくつかのAMLサンプルからの細胞の増殖を阻害した。試験したサンプルのうち9つで、7G3およびIL−3の存在により、外来性レベルのおよそ60%(50〜75%の範囲)に増殖が減少し(図1e)、オートクリン経路が示唆された。ブロック不良の6H6抗体は、IL−3誘導増殖を阻害しなかった(データは示していない)。7G3抗体のKd(約900pM)33は、増殖を阻害するのに必要な濃度によく合致した(図1b〜1d)。全体として、7G3は、大多数の一次AMLサンプルにおけるIL−3媒介増殖ならびに自然な増殖(IL−3の添加なし)の阻害に有効であり、いくつかのAML細胞が構成的にIL−3を産生するか、または7G3がこれらの細胞に負のシグナルを引き起こすことが示唆された。] [0061] NOD/SCIDマウスにおいて、7G3による前処置はAMLを阻害するが、正常な造血細胞の移植は阻害しない。 免疫欠損マウスにおいて正常細胞および悪性細胞の再増殖能力に及ぼす7G3の効果を評価するために、一次AML細胞および正常骨髄(NBM)細胞または臍帯血(CB)細胞を、7G3または無関連のIgG2a(10μg/mL、2時間)と共に、エキソビボインキュベートし、致死量以下の放射線照射したNOD/SCIDマウスに移植した。対照は接種4〜8週後に骨髄移植の証拠を示したが、エキソビボ7G3インキュベーションは、AMLサンプルの9/10の移植を著しく減少させた(対照に比較して、平均89.7±1.9%の減少、P=0.013、図2aおよび表1)。移植におけるこの減少は、接種8週後と12週後との間で評価した際、サンプルの6/7で持続していた。対照的に、接種4〜11週後、7G3は、3/5の正常サンプルの移植に有意な阻害効果を持たず、また、2つのNBMに対する小さな効果が統計的有意性に達していたが、この阻害は、AML細胞と比較するとはるかに低かった(図2bおよび表1)。エキソビボ7G3処置は、IgG2a対照に比較して、平均23.5±8.9%(P=0.078)、正常の造血細胞移植を減少させた。NBMの3つに関する多系列移植は、CD33、CD19、およびCD3の発現をモニターすることにより測定したが、IgG2a処置群と7G3処置群との間に有意差は見られなかった(データは示していない)。] 図2a 図2b [0062] エキソビボ7G3処置は、診断時と再発時双方で採取したAML−8の移植を同程度に阻害しており、診断サンプルと再発サンプルの双方が、7G3処置に対して同等の感受性を有し得ることを示した。AML−5は移植がエキソビボ7G3処置によって減少しなかった唯一のAMLサンプルであり、これは、評価した全てのAMLサンプルのうちで、このサンプルが高比率のLSC(CD34+/CD38-)および最低のCD123発現を示すことに起因すると考え得る(表1)。全体として、これらの結果は、AML LSCに比較して、7G3処置に対する正常の造血幹細胞の感受性の減少を実証している。] [0063] エキソビボ7G3処置によって生じるAML移植の減少はまた、生存率の改善にも関連していた。IgG2a処置または7G3処置のAML−9細胞を移植したマウスは、それぞれ、11.5週間と24週間の生存率中央値を示した(P=0.0188、各群に関してn=10、図2c)。20週間を超えて生存したマウスがいなかった対照群とは対照的に、7G3群の40%は実験の終了を超えて生存した(25週間)。] 図2c [0064] AMLまたは正常な造血細胞の移植に及ぼすエキソビボ7G3処置の阻害効果は、有意な相関性を持って、CD34+/CD38-集団におけるCD123発現の強度と逆の関連性があった(図7;R=−0.68、P=0.0051)。2つのパターンは明らかであり、7G3によって移植が強く阻害されたAMLサンプルでは、CD123の発現が一般に高かった。逆に、7G3によって移植がそれほど顕著に影響されなかった正常の造血サンプルと単一のAMLサンプル(AML−5)では、一般にCD123を発現は低レベルであった。] 図7 [0065] 7G3は、NOD/SCIDマウスにおけるAMLホーミング能力を阻害する。 静脈内接種されたAML細胞が、骨髄および脾臓へホーミングする能力に関する7G3の効果を判定するために、エキソビボ処置されたAML−8−rel細胞およびAML−9細胞を移植し、24時間後にマウスを安楽死させて調べた。イソタイプ処置の対照と比較して、7G3は、骨髄に対するホーミングが46〜93%の間で有意に減少したが(P<0.05)、一方、脾臓へのホーミングは、対照の35%から90%減じたが、この差は統計的に有意ではなかった(P>0.05)(図2d)。接種24時間後の時点で骨髄および脾臓内に残留した白血病性細胞は、主としてCD34+の始原細胞であり、また7G3は、骨髄において細胞数が減少し、残留細胞の細胞表面表現型を変化させなかった(データは示していない)。] 図2d [0066] 骨髄へのAMLホーミングに及ぼす7G3の効果をさらに特性化するために、AML−8−rel細胞を7G3抗体またはイソタイプ対照抗体に曝露し、引き続き尾静脈(IV)を経るか、または直接右大腿(RF)に移植し、その5週後にマウスを安楽死させた。図2eは、大腿内接種が、静脈内接種と比較して移植に及ぼす7G3の阻害効果を減衰させたが、大腿注射および非大腿注射双方において移植の有意な減少における7G3の有効性は存続した。AML−LSCの7G3阻害をより直接的に示すために、AML−LSC(NOD/SCIDマウスにおいてヒト疾患を再利用する能力により規定された)が、このフラクションにかなり濃いのでCD34+CD38-細胞に及ぼす7G3の処置効果を本発明者らは調べた2、3。BMへのAML−8−relおよびAML−9のホーミングからのCD34+CD38-細胞数は、エキソビボ7G3の処置により対照のそれぞれ8.4±0.018%と12.0±4.3%とに減少した(P=0.16と0.013、図2f)。同様に、脾臓に対するAML−9ホーミングからのCD34+CD38-細胞数が、対照の3.8±1.5%に減少した(P=0.019)。この所見をさらに確認するために、AML−9から選別されたCD34+CD38-細胞によりホーミング実験を繰り返し、次いでIgG2aまたは7G3のいずれかによりエキソビボ処置してからNOD/SCIDマウスに注射した。7G3の処置群におけるヒト細胞のホーミング効率は、BMにおいてIgG2a対照の7.8±1.7%に、脾臓においては11.2±0.84%に減少した(P=0.09)(図2g)。したがって、CD123は、AMLのNOD/SCID白血病開始細胞(SL−IC)の支持微小環境へのホーミング、ならびにNOD/SCIDマウスにおける疾患の確立および伝播に重要な役割を果たしていると思われる。] 図2e 図2f 図2g [0067] 7G3の早期投与は、NOD/SCIDマウスにおけるAML移植を減少させる NOD/SCIDマウスの7G3処置が、AML細胞の移植に影響を与えるかどうかを判定するために、7G3またはイソタイプの対照抗体(300μg)を腹腔内注射により単回投与し、次いで6時間後にAML−1細胞を、静脈内に移植した。7G3処置により、骨髄における移植が、移植後5週目に対照の1.3±0.9%へとほぼ完全に剥離した(P=0.0006、n=5、図3a)。] [0068] 移植24時間後または4日後に処置を開始することにより、NOD/SCIDマウスにおけるAMLの進行の制御における7G3の有効性もまた調べ、SL−ICを、処置開始前の骨髄微小環境にホーミングさせると推定した44~46。移植24時間後に処置を開始すると、移植はAMLサンプルの2/3に減少した。1日ごとに投与された4回投与のこの処置療法により、AML−2およびAML−3の移植は、それぞれ対照の41.1±27.1%(P=0.096)と39.6±10.0%(P=0.026)に減少したが、一方、AML−1の移植では影響されなかった(図3b)。] [0069] 双方の移植後処置療法における7G3の比較的低い効果にもかかわらず、マウスの骨髄から採取されたAML細胞上の7G3の被覆は、はっきりと明白であった(データは示していない)。さらに、7G3処置により、試験されたいずれの処置療法もAML−1細胞上のCD123発現を減少させた。例示として移植4日目後に開始する7G3の処置により、9F5抗体を用いて評価されたように、BMから採取されたAML−1のCD123発現は対照の51.3±4.0%に減少した(図3c、P<0.0001)。同じ実験において、7G3はまた、マウスの末梢血および脾臓に対するAML−1の伝播をそれぞれ対照の27.8±7.5%(P=0.0029)と23.5±5.3%(P=0.0009)とに減少させた(図3d)。] [0070] 7G3は、NOD/SCIDマウスにおける確立されたAML疾患の負荷を減少させることができる。 本試験の主要目的は、AML幹細胞上の標的CD123の効果を試験することであるが、白血病性幹細胞の移植に及ぼす効果を超えた確立された白血病疾患に対する任意の単一薬剤の治療活性を示す7G3の能力を、確立された疾患モデルにおいて移植28日後に連続7G3処置または対照IgG2a処置を開始し、殺処置時まで処置を継続することによって評価した。患者のサンプルの間でこのモデルにおける7G3処置への応答にばらつきがあったが、これは臨床的に見られるAMLの異種性を反映している可能性が高い。5つのサンプルのうち2つに、AMLのBM負荷における有意な減少が見られた(図3eおよび3fに示す)。AML−2は、移植後9週目と14週目に、BM移植において有意な減少を伴って7G3に応答したが(図3e)、一方、8日間にわたって7G3の4回のみの投与によるマウスの処置では、AML−1の移植がIgG2a対照の18.9±4.1%(P=0.001、図3f)に有意に減少した。さらに、多数のAMLサンプルにおいて、移植後4日目または28日目における7G3処置の開始によりBMにおける白血病負荷に有意な減少はなかったが、末梢造血器官(脾臓、末梢血、および肝臓)における白血病負荷が、7G3処置群においてより低下した(図3d、データは示していない)。まとめるとこれらのデータは、7G3が、生物学的にインビボ活性であり、単一薬剤として使用される場合、NOD/SCIDモデルにおけるAMLの増殖を抑制できることを示唆している。] [0071] 7G3は、SL−ICの自己複製能力を標的にする。 連続的移植実験は、全ての癌幹細胞(CSC)特異的療法に関して重要な問題を扱っており、CSCが実際にインビボで標的にされているという証拠を提供する。AMLの場合、AML−LSCを一次NOD/SCIDマウスを再増殖させると、それらは自己複製しなければならないことが知られており3;自己複製は、全ての幹細胞において重要な性質であり、二次移植により最良に評価される。] [0072] より迅速に増殖するAML芽細胞を標的にする従来の療法に対するアジュバントとして、自己複製能力を有するLSCを標的にするために、7G3もまた使用できるかどうかを調べる目的で、7G3またはIgG2aを、シタラビン(Ara−C)と組み合わせ、SL−ICおよび白血病負荷に及ぼすそれらの効果を判定した。AML−10細胞の移植後35日目に、マウスを3日間毎日7G3またはIgG2a対照(500μg/日)で処置し、次いで連続5日間Ara−C(40mg/kg/日)で処置した。Ara−Cで処置後、さらに4週間7G3を投与した。7G3およびAra−Cで処置されたマウスの骨髄および脾臓内の白血病移植は、IgG2aおよびAra−Cで処置されたマウスと比較して減少しなかった(図4のパートIa)。しかしながら、細胞を、処置マウスの骨髄から採取し、同数のヒト細胞を二次レシピエントマウスに移植した場合、7G3/Ara−C処置ドナーマウスから採取された細胞の骨髄および脾臓へのホーミングは、それぞれIgG2a/Ara−C処置対照の33.6±5.0%(P=0.014)と10.9±4.6%(P=0.15)まで阻害された(図4のパートIb)。さらに、二次レシピエントマウスの骨髄および脾臓の再増殖もまた、7G3/Ara−Cにより、それぞれIgG2a/Ara−C処置対照の21.0±15.2%(P=0.024)と35.8±31.8%(P=0.31)とに減少した(図4のパートIc)。ドナーマウスの骨髄に出現するCD34+/CD38-LSCの比率は、IgG2a/Ara−C処置に比して、7G3/Ara−Cにより減少しなかったが(データは示していない)、図4のパートIdは、IgG2a/Ara−Cで処置されたドナーと比較して、7G3/Ara−Cドナーからの二次レシピエントマウスの骨髄および脾臓における細胞集団の有意な減少を示している。これらのデータは、7G3のインビボ投与がNOD/SCIDマウスのAML−LSCを特異的に標的にし、二次レシピエントマウスにおけるホーミングおよび移植の減少をもたらすことを示している。] [0073] 7G3が単一薬剤として作用できるかどうかを確証するために、Ara−Cの非存在下で7G3のインビボ処置後に連続移植を実施した。図4のパートIIAに示すように、10週間の7G3処置は、一次移植マウスのBMまたは脾臓におけるAML−10の移植を明白には減少させなかったが、7G3処置マウスから採取したAML細胞は、IgG2a処置対照と比較して二次レシピエントマウスのBM(28.2±2.9%、P=0.0083)および脾臓(18.3±4.8%、P=0.0021)へのホーミング能力は有意に減少した(図4のパートIIB)。再増殖能力もまた、有意に減少した:未処置の対照細胞を移植した9匹の二次レシピエントマウスのうちの8匹は、移植されたが、一方、7G3処置マウスからの細胞を接種した8匹のマウスのうちの3匹だけが、移植の証拠を示した(図4のパートIIC)。7G3処置マウスにおける平均移植レベルは、IgG2a処置対照と比較して有意に減少した(BM、34.6±18.6%、P=0.039;脾臓、33.7±20.4%、P=0.19)(図4のパートIIC)。この患者サンプルは、7G3処置一次マウスにおいて減少しなかった高レベルのCD34+CD38-始原細胞を有した。しかしながら、IgG2aで処置されたドナーと比較して、7G3処置ドナーから移植された二次レシピエントマウスのBMにおける始原細胞集団が有意に減少した(対照の56.6±15.0%、P=0.031)(図4のパートIID)。AML−9細胞を用いる独立した実験において同様の結果が得られ、7G3は、平均レベルの移植を対照の19.3%±9.8%に減少させたことを示した(図4のパートIII)。] [0074] 図4に示された3つの独立した実験の全てのデータを組み合わせてまとめると、IgG2aまたはIgG2aプラスAra−Cで処置した対照マウスから採取された細胞により、27匹の二次マウスのうちの1匹(3.7%)だけが移植されなかった。対照的に、7G3または7G3プラスAra−Cで処置したマウスから採取された細胞により、23匹の二次マウスのうちの11匹(48%)が移植できなかった。これらの結果は、7G3のインビボ投与は、NOD/SCIDマウスのAML−LSCを特異的に標的にし、その結果、二次レシピエントにおけるホーミングおよび移植を減少させることを実証している。] [0075] CD122+NK細胞は、NOD/SCIDマウスにおけるAML再増殖の7G3媒介阻害に寄与する Fc依存、抗体依存性の細胞障害活性(ADCC)を促進する免疫系におけるエフェクター細胞の中には、NK細胞、マクロファージ、好中球および樹状細胞がある。AMLの移植を阻害する7G3の能力へのそれらの寄与は、エキソビボの7G3処置AML細胞の白血病性細胞移植前に、CD122としても知られているIL−2Rβ−鎖(IL−2Rβ)に対するモノクローナル抗体を放射線照射されたNOD/SCIDマウスに注射することによって評価された。IL−2Rβは、NK細胞、T細胞、およびマクロファージに広く発現し、mAbによるIL−2Rβのブロックによって、NOD/SCID異種移植系におけるヒト造血細胞の移植を改善することができる。] [0076] 移植後4週目に、IgG2a対照によりエキソビボ処置されたAML−8−rel細胞を移植したNK細胞欠失マウスにおける白血病移植は、非欠失マウスの113.3±2.8%(P=0.023)に増加し(図5a)、CD122+NK細胞が、NOD/SCIDマウスにおけるAML移植を中等度に減少させることが示唆された。CD122+細胞の欠失はまた、部分的ではあるが有意に、AML細胞の移植を減少させる7G3の能力を減じたことから、CD122陽性細胞は、7G3の阻害効果を一部媒介することが示唆された(図5a)。NOD/SCID再増殖に及ぼす効果と対照的に、7G3は依然として、抗CD122処置マウスにおいて、IgG対照の85%を超えて白血病細胞のホーミングを強力に阻害した(図5b)。これらの結果により、NOD/SCIDマウスにおけるAML細胞の移植およびホーミングを阻害する7G3の能力は、少なくとも2つの協同的経路:NKおよび/または他のCD122依存性細胞により生じたADCC;およびIL−3/CD123シグナル経路をブロックする7G3の特異的阻害効果によって媒介されることを示している。] 図5a 図5b [0077] ] [0078] 考察 AML芽細胞およびLSC上のCD123の一貫した過剰発現は、特に再発または最少残存疾患に関して、AML単独または確立された療法と併用した治療のための将来有望な治療標的を提供する。CD123に基づいた幾つかの療法が考案されており、種々のアッセイにおいて抗AML効果を示している23、47~49。本研究において、7G3は、インビトロでIL−3媒介シグナル経路、それに続く種々のAMLサンプルの誘導増殖を特異的かつ一貫して阻害することが示された。さらに、7G3処置により、AML−LSC移植は著しく減少し、マウスの生存率が改善された。予め確立された疾患を有するマウスは、BMおよび周辺部のAML負荷の減少および処置の際の二次的移植の減損を示し、処置マウスにおいてAML−LSCが直接標的にされていることを確証した。これらの結果により、治療的抗CD123モノクローナル抗体によるAML−LSCの標的化、および臨床的適用の可能性に向けたインビボ前臨床研究知見の解釈に対して明瞭な確証を提供している。] [0079] 実施例2 CSL360は、マウスモノクローナル抗体7G3の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を、ヒトIgG1定常領域上に移植することによって得られたキメラ抗体である。7G3と同様に、CSL360は、CD123(ヒトIL−3Rα)に高親和性で結合し、受容体への結合に関してIL−3と競合し、その生物活性をブロックする33。したがってヒトキメラ抗体CSL360の大部分は、AML LSC細胞を標的とし、排除するためにも使用できる可能性がある。CSL360はまた、ヒト設定のエフェクター活性を開始できると思われるそのヒトIgG1Fc領域があるため、ヒトの治療剤としての潜在的有用性の利点を有する。さらに、ヒトにおけるCSL360は、恐らくマウス7G3対応物に比してクリアランスの減少を示し、より免疫原性が少ないと考えられる。CD123発現白血病の治療におけるCSL360の作用機序は、1)IL−3とその受容体との結合をブロックすることによるIL−3シグナル伝達の阻害、2)抗体が標的細胞に結合した後の補体の動員および補体依存性細胞障害活性(CDC)を引き起こすこと、または3)抗体が標的細胞に結合した後、エフェクター細胞の動員および抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)を引き起こすこと、を含み得る。] [0080] 抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)を試験するために開発された方法が、以下に記載されており、このアッセイにおいて(1)標的細胞集団または(2)エフェクター細胞集団を分析する方法に分類することができる。標的細胞の分析に関与する方法では、ADCCによってもたらされた標的細胞溶解または標的細胞の早期アポトーシスを測定する。エフェクター集団を調べる方法では、NK細胞-誘導細胞溶解に関するマーカーとしてNK細胞などのエフェクター細胞上の膜顆粒の誘導を測定する。] [0081] 方法 51クロム放出アッセイを用いるADCCの測定 Jenkinsら50により記載されたCD123を発現させるために操作されたマウスリンパ細胞株CTL−ENまたは新たに解凍された白血病細胞(5×106)を、250μCiの51Crム−クロム酸ナトリウムと共に37℃で1時間インキュベートした。RPMI−10%FCS媒体により細胞を3回洗浄して遊離の51Crム−クロム酸ナトリウムを除去した。クロム標識された標的細胞を、丸底96ウェルプレート中に10,000個の細胞/ウェルで分配した。CSL360またはイソタイプ対照抗体、(MonoRho、組換え抗アカゲザルDヒト免疫グロブリンG1)を、10μg/mLで加えた。] [0082] 単離された新鮮PBMCを、三通りの異なる比率でエフェクター細胞として添加し、5%CO2インキュベーター中37℃で4時間インキュベートした。サンプルの全量は200μL/ウェルであった。インキュベーション時間後、プレートを600×gで5分間遠心分離し、100μLの上澄液を取り出し、放出51CrをWallace γ−カウンター中で測定した。] [0083] 特異的細胞溶解は、式、細胞溶解%=100×[(抗体がある場合の平均cpm−平均自発cpm)/(平均最大cpm−平均自発cpm)]を用いることにより決定した。自然発生放出は、抗体もエフェクター細胞もない標的細胞を有したサンプルから得られた。最大放出は、1%(v/v)Triton X−100で処理された標的細胞から決定した。] [0084] カルセインAM標識の標的細胞アッセイを用いるADCCの測定 CSL360により誘導されたADCCを、Neriら52によって記載された方法により測定した。この方法は、51クロムの替わりにカルセインAMによる標的細胞の標識を含んだ。標的細胞を、5%CO2インキュベーター中、37℃で30分間10μMカルセインAM(Invitrogen、カタログ番号C3099)と共にインキュベートした。標識細胞を洗浄して遊離のカルセインAMを除去し、次いで丸底プレートに1ウェル当り5000個の細胞で分配した。エフェクター細胞を異なる比率で添加した。関連する抗体を、10μg/mLの最終濃度に加え、抗体の無い細胞を陰性対照として供した。プレートを、5%CO2インキュベーター中、37℃で4時間インキュベートした。インキュベーション時間後、プレートを600×gで5分間遠心分離した。100μLの上澄液を取り出し、蛍光を、Envisionマイクロプレートリーダー(励起フィルター485nm、発光フィルター535nm)で測定した。特異的細胞溶解は、式、細胞溶解%=100×[(抗体を有する平均蛍光−平均自然発生蛍光)/(最大平均蛍光−自然発生平均蛍光)]を用いることにより算出した。最大蛍光は、3%Extranによる細胞溶解により決定し、自然発生細胞溶解は、抗体またはエフェクター細胞の無い標的細胞により得られた蛍光であった。] [0085] 細胞溶解の代理マーカーとしての膜顆粒タンパク質CD107aのエフェクター細胞発現としてのADCCの測定 NK細胞による膜結合溶解性顆粒タンパク質であるCD107aの発現レベルが、標的細胞の細胞障害性と関連することを、Fischerら51は示した。この方法を用いてCSL360のADCC活性を評価した。この方法は、標的細胞を有する白血球層から新鮮に単離されたヒトPBMCのインキュベーションを含んだ。使用された標的細胞は、CD123発現細胞株または一次ヒトAML細胞であった。抗体の存在または非存在下、1:1の比率で標的細胞をヒトPBMCに加えた。CD107aの非特異的または自然発生発現を、添加された抗体または標的細胞の無いヒトPBMCで評価した。PE−Cy5結合CD107aモノクローナル抗体(BD Pharmingen、カタログ番号555802)を全てのサンプルに加え、5%CO2インキュベーター中、37℃で3時間インキュベートした。インキュベーション開始1時間後、ブレフェルジンA(BFA)を加えた。インキュベーション終了時に、細胞を洗浄し、抗CD56−PE(BD Pharmingen、カタログ番号347747)および抗CD16−FTTC(BD Pharmingen、カタログ番号555406)モノクローナル抗体で染色した。次に細胞を、FACSCaliburを用いてフローサイトメトリーにより分析し、膜結合溶解性顆粒タンパク質を発現したFcRγIIIA受容体を発現するNK細胞を表すCD56dimCD16+CD107a細胞に関して分析した(Flow Jo Software Tree Star,Inc.)。] [0086] 結果 CSL360は、51クロム放出アッセイにより評価した際、AMLサンプルおよびCD123発現細胞株においてADCCを誘導する。 CTLEN細胞による51クロムの総取り込みは、界面活性剤の細胞溶解によるクロムの最大放出で判定した際、AML細胞によるわずか約400〜200cpmと比較して2000〜1500cpmの間であった。陰性対照抗体MonoRhoによる1.9%の細胞溶解と比較して、エフェクター対標的細胞の100:1比率でAML(SL)細胞の15%の細胞溶解が見られた。陰性対照抗体MonoRhoによる5%の細胞溶解と比較して、エフェクター対標的細胞の100:1比率でCTLEN細胞の51%の細胞溶解が見られた(表2)。これらの結果により、たとえAML細胞がCD123のより高レベルの表面発現があっても、CTLEN細胞は、AML細胞よりもCSL360媒介ADCC細胞溶解を受けやすいことが示唆された。] [0087] CSL360は、エフェクターNK細胞上のCD107a発現により評価した際、AMLサンプルおよびCD123発現細胞株においてADCCを誘導する。 図8は、CSL360またはイソタイプ対照抗体の存在下、AML患者サンプル、RMH003と共にインキュベートした正常なドナーからのPBMCを混合することにより誘導されたNK細胞上の膜溶解性顆粒、CD107aの誘導を示すフローサイトメーター分析を示している。この混合集団内のNK細胞は、CD56(NKマーカー)およびCD16(FcRγIIIA)を発現したリンパ球集団から導かれた。イソタイプ対照抗体と共にインキュベートした同じドナーおよび患者サンプルからのNKと比較して(図8Aの約3%のCD107a陽性細胞)、CSL360で被覆されたAML細胞に曝露されたNKは、有意に上昇したCD107aを示したこと(図8Bの約39%のCD107a陽性細胞)をデータが示している。CSL360を、標的AML患者細胞の非存在下でエフェクター細胞に添加するとCD107aが検出されなかったことから、ドナーNK細胞上のCD107aの誘導は標的細胞依存性である(図8D)。図9は、棒グラフとしてプロットされた同一の実験からのデータを示している。] 図8 図8A 図8B 図8D 図9 [0088] ヒトCD123(CTLEN、EL4)を発現するために操作された多数の細胞株または内因性CD123を発現するヒト白血病細胞株(TF−1)および3つまでの異なるドナーに由来するエフェクター細胞とインキュベートされた標的細胞としての白血病患者の一次サンプルから上記と同様の方法で作出されたデータが表3に含まれる。データは、CSL360の存在下または添加抗体無しで種々のサンプルとインキュベートされた、CD107aを発現したNK細胞のパーセンテージとして表されている。CSL360の存在下、ヒトCD123を発現する2つのマウス細胞株は、NK細胞においてCD107a発現を誘導した。4/8一次白血病サンプルは、NK細胞上のCD107aのCSL360媒介発現を示した。RMH007は、CSL360の非存在下であってもNK細胞におけるCD107aの発現を誘導した。RBH013は、1つのドナーからPBMCにより同様の結果を与えたが、異なるドナーではCD107a発現は、CSL360に特異的であり、この場合CSL360により誘導されたNK媒介ADCCに対するドナー特異的感受性を示した。] [0089] 8つの一次白血病サンプルのうち6つを、エフェクター細胞源として種々のドナーを用いて、ADCC効果に関して調べた。ADCCに感受性であったサンプルは、通常ドナーに関わりなくエフェクター細胞においてCD107aを誘導したことは重要な所見であった。同様に、ADCCに耐性であったサンプルもまた、一般にドナー細胞に関わりなく陰性のままであった。] [0090] CSL360は、カルセインAM放出アッセイにより評価した際、AMLサンプルにおいてADCCを誘導する。 溶解された細胞により媒体に放出されたカルセインは、ADCC媒介細胞溶解の指標である。患者RMH003およびRMH008は、このアッセイにおいてADCCに対する感受性を示したが、一方、RMH009、RMH010およびRMH013は、細胞溶解に耐性であったと思われる(表4)。これら5人の患者全てを、このアッセイに用いられたものと同じエフェクター細胞を用いるNK細胞CD107a発現アッセイにおいて、CSL360媒介ADCCに対する感受性について試験し、比較結果を表5に示してある。6人の患者サンプルのうちの3つにおけるADCCの状態は、2つの異なるアッセイと一致した。] [0091] ] [0092] ] [0093] ] [0094] ] [0095] 考察 ADCC活性を測定するために知られた幾つかのアッセイ全ての使用を通して、感受性に変動はあるにしても、CSL360が、異所性ヒトCD123を発現する培養物中に維持されたマウス細胞株におけるADCC応答を誘導できることが示されていた。重要なことに、CSL360はまた、正常なドナーからの機能性エフェクター細胞の存在下、一次ヒトAML患者サンプルに対するADCC応答を誘導することができた。このデータにより、白血病細胞がLSCを含む白血病患者においてCD123の十分なレベルを発現すること、特に患者、例えば、寛解期患者または最少の残存疾患を有する患者などが、血行中に幾つかの機能性エフェクターを保持した場合、治療的に投与されたCSL360は、白血病細胞のADCC特異的排除を誘導し得ることが示唆されている。] [0096] 実施例3 LSCを含むAML細胞上のCD123の遍在的な発現およびAMLの病因において重要な役割を果たすIL−3が関係している証拠により、IL3Rα機能をブロックする能力が、7G3などのIL−3Rαを標的にする抗体の治療的活性にとって重大な意味を持つ出であろうことが示唆された。本実施例において、やや意外なことに、AML患者サンプルによりNOD/SCIDマウスの移植または再増殖を阻害する7G3の能力は、7G3のFcドメインによって誘導されたエフェクター機能の応答に少なくとも部分的に依存することが示されている。また、IL−3Rα機能を有意に阻害することのない他のIL−3Rα抗体もまた、移植をブロックし、それ故、AMLのNOD/SCIDマウスモデルにおいて治療活性を示す。] [0097] 方法 F(ab)’2断片の調製 6H6、9F5および7G3に関するF(ab)’2断片は、抗体と共に37℃、2時間インキュベートされた固定化ペプシン−アガロース(22.5Uのペプシンアガロース/mg抗体)を用いるペプシン開裂により誘導された。3Mトリスを用いてpHを6.5に調整することにより消化をクエンチした。固定化ビーズを、遠心分離により得られたF(ab)’2から分離した。] [0098] 7G3のF(ab)’2を、直列型クロマトグラフィー法:チオール基吸着クロマトグラフィー(15カラム容量超で40mMのHEPES中20〜0%の硫酸アンモニウム勾配)およびアニオン交換クロマトグラフィーを用いて残存する免疫グロブリンおよび他の不純物から精製した。9F5 F(ab)’2および6H6 F(ab)’2を、イオン交換クロマトグラフィー、次いでアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。エンドトキシン濃度は、LAL発色アッセイにより定量した。エンドトキシン濃度が>10EU/mLであった場合、Detoxigelを用いてエンドトキシン濃度を減少させた。予想したとおり7G3 F(ab)’2は、IL−3依存TF−1増殖アッセイにより評価した際、CD123中和活性を保持した(データは示していない)。] [0099] AML患者サンプル 末梢血細胞は、3人の新たに診断された患者からインフォームドコンセントを得た後に採取した。AML患者を診断し、仏国−米国−英国(FAB)診断基準に従って分類した。AML−8−relは最初の診断において当初、M4として分類され、AML−9はM5aとして分類され、AML−10は分類されなかった。AML芽細胞は、フィコール密度勾配遠心分離により単離し、液体窒素中、一定分量で凍結させた。] [0100] インビトロ抗体処置 IL−3受容体α鎖(CD123)、7G3、9F5、6H6およびそれらのF(ab)’2断片に対するモノクローナル抗体を用いてAML患者から採取した細胞を処置した。対照としてIgG2aを並行して用いた。解凍AML細胞を、XVIVO10プラス15%BIT中に接種し、10μg/mLの濃度で抗体と共に独立してインキュベートした。37℃で2時間のインキュベーション後、採取した白血病細胞を、再増殖アッセイのために致死量以下の放射線照射したNOD/SCIDマウスに静脈内注入した。] [0101] NOD/SCIDマウスへのヒト細胞の異種移植 異種移植は基本的には、実施例1に概説したように実施した。NOD/SCIDマウスを繁殖させ、the University Health Network/Princess Margaret Hospital Animal Care Committeeで飼育した。the University Health Network/Princess Margaret Hospitalの動物保護委員会によって承認された、施設ガイドラインの下で動物試験を実施した。NOD/SCIDマウスへの白血病細胞の移植は、以前に記載されたとおりに実施した3。手短に述べると、同一実験での全てのマウスを、300cGyの線量で同時に照射してから、同数のヒト細胞を注射した。静脈内移植に関しては、各群5匹のマウスを用いて、マウス1匹当り500万〜1000万の白血病細胞を注射した。ヒトAMLの移植レベルは、マウス骨髄のフローサイトメトリーによりCD45+細胞のパーセンテージに基づいて評価した。] [0102] 細胞染色およびフローサイトメトリー 処置マウスの骨髄からの細胞を、APC(Beckman−Coulter)に結合したヒトCD45(抗CD45)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)に結合した抗CD34、および抗CD38−PC5(Becton−Dickinson)に特異的なマウス抗体で染色した。偽陽性細胞を回避するためにイソタイプ対照を用いた。抗CD123−PE(クローン9F5および7G3、Becton−Dickinson)を用いて、AML細胞上のIL−3受容体α鎖の発現を試験した。染色した細胞は、Caliber(Becton−Dickinson)を用いて分析した。] [0103] 統計解析 データは、平均値±標準誤差として供される。処置群間差の有意性は、スチューデントt検定を用いたp値により決定した。結果は、P<0.05で統計的に有意であると考えられた。] [0104] 結果 抗IL−3Rα抗体Fcドメインは、AMLホーミング能力の阻害に有意に寄与する。 実施例1におけるデータ、図5aおよび5bにより、NKおよび/または他のCD122依存細胞により生じたADCCは、NOD/SCIDマウスの骨髄内へのAML細胞のホーミングおよび再増殖を阻害する7G3の能力に寄与し、さらにIL−3/CD123シグナル伝達経路をブロックする7G3の効果を示している。これを直接調べるために、エキソビボ処置のAMLサンプルのホーミングに対する抗IL−3Rα抗体6H6および9F5を、他に不十分に中和する効果を調べた。6H6および9F5が双方とも、CD123と特異的に結合するが、7G3とは異なり、それらはIL−3Rα機能をブロックしない33。これはまた、7G3とは異なり、6H6および9F5が双方とも、試験された最高用量でもCD131(βc)チロシンのリン酸化、STAT−5のリン酸化およびAktのリン酸化を含むIL−3誘導シグナル伝達を阻害できなかったことを図6aに明白に示している。6H6および9F5はそれでも、この実験においてBMへのAML細胞のホーミングを少なくとも7G3と同様に強力に阻害したことを図10は示している。] 図10 図5a 図6a [0105] ホーミングの阻害に関する7G3の効果に対するFcドメインの寄与は、7G3および6H6双方のF(ab)’2断片を試験することによって評価された。抗体F(ab)’2断片は、Fcエフェクター免疫グロブリンドメインを欠いており、ADCCまたはCDC応答を誘発できない。図10はまた、この実験において7G3および6H6双方のF(ab)’2断片が、AML細胞ホーミングを阻害しなかったことを示しており、双方の抗体のFcドメインが、骨髄へのAML細胞のホーミング阻害にとって重要であることを示している。] 図10 [0106] 抗IL−3Rα抗体のFcドメインは、AML細胞の骨髄移植および再増殖能力の阻害に有意に寄与する。 次にIL−3Rαの中和およびレシピエントマウスの骨髄内へのAML細胞の移植阻害のためのエフェクター活性の寄与を評価するために、この実験を拡張した。2人のAML患者のサンプルを、10μg/mLの濃度で種々の無処置抗体および抗体断片を37℃で2時間エキソビボ処置をした。インキュベーション後、細胞を遠心分離して未結合の抗体を除去し、致死量以下の放射線照射したNOD/SCIDマウスに移植した。ヒトAMLの移植レベルを、移植4週後のマウスの骨髄におけるhuCD45陽性細胞のパーセンテージを評価することによって分析した。図11aおよび11bに示されるように、予想したとおり7G3は、AML患者サンプル双方のNOD/SCIDマウスへの移植を有意に阻害した。ホーミングに対する効果と一致して、9F5もまた、患者サンプル双方のAML細胞移植を強力に阻害した。興味深いことに、図11aは、患者サンプルAML−9に関して、7G3および9F5双方のF(ab)’2断片は、有意に減少した阻害能力を示したが、移植を対照抗体で見られたレベルに完全に戻すことができなかったことを示している。対照的にサンプルAML−10に関して、双方のF(ab)’2断片の阻害効果は無かった。] [0107] 考察 これらの結果をまとめると、7G3がIL−3Rα機能を中和する能力に加えて、7G3のFcドメインもまた、AML細胞のホーミングと移植能力の阻害にとって重要であることが示されている。Fcドメインが無いと、CD123に対する抗体は、NOD/SCIDマウスにおけるAML−LSCのホーミング、滞留、および再増殖を阻害する能力を喪失する。] [0108] 実施例4 抗体のエフェクター機能活性を増加させるための多くの方法が記載されている。これらの方法は、関連するFc受容体との相互作用を増強し、抗体依存細胞媒介細胞障害性(ADCC)および抗体依存細胞媒介食作用(ADCP)を促進させる可能性を増加させるために、抗体のFc領域のアミノ酸改変を含み得る34,35。Fc領域における保存Asn297におけるIgG1抗体に共有結合したオリゴ糖の改変に続いてADCC活性における増強もまた記載されている34。Lee13細胞におけるヒトIgG1抗体発現のさらなる研究において36、他の点では正常なオリゴ糖にフコースを添加させる能力を欠いている変異体のチャイニーズハムスター卵巣細胞株は、ヒトFcγRIIIAに50倍まで改善された結合性を有しADCC活性の改善されたフコース欠失抗体を生じた。] [0109] 脱フコシル化抗体を生成させる代わりのアプローチもまた、一定のグリコシダーゼ阻害剤の存在下、抗体発現細胞の培養を介して記載されている53。この研究において、目的の抗体を発現するCHO細胞を強力なα−マンノシダーゼI阻害剤であるキフネンシン(kifunensine)の存在下で培養し、フコースを含有していないオリゴマンノースタイプのグリカン類を有するIgG類の分泌が生じた。これらの抗体は、FcRに関する親和性の増加およびADCC活性の増強を示した。] [0110] 本実施例では、Fc操作または脱フコシル化を介して増強されたADCC活性を有するCSL360変種の作出および試験を記載している。] [0111] 方法 CSL360の一過性の発現およびFc最適化CSL360に関する哺乳動物の発現ベクター構築 マウス抗CD123抗体7G3の軽鎖および重鎖双方の可変領域に関する遺伝子を、総7G3からクローン化した。1B8ハイブリドーマRNAは、製造元の取扱説明書に従ってNucleoSpin RNA IIキット(BD Bioscience)を用いて単離した。第一鎖cDNAは、SMARTRACE Amplicationキット(Clontech)を用いて合成し、可変領域は、プルーフリーディングDNAポリメラーゼ、Plantinum(登録商標)Pfx DNAポリメラーゼ(Invitrogen)を用いてRACE−PCRにより増幅させた。可変重鎖領域に対して用いられたプライマーは、UPM(Universal Primer A mix、DB Bioscience)およびMH2a(5’AATAACCCTTGACCAGGCATCCTA3’)であった。同様に、可変軽鎖領域は、UPMおよびMK(5’CTGAGGCACCTCCAGATGTTAACT3’)を用いて増幅された。標準的な分子生物学的技法を用いて、重鎖可変領域は;a)ヒトIgG1定常領域を含むように改変されたpcDNA3.1(+)発現ベクター(Invitrogen)に基づいた哺乳動物発現ベクターpcDNA3.1(+)−hIgG1、またはb)pcDNA3.1(+)−hIgG1S239D/A330L/I332E、またはc)pcDNA3.1(+)−hIgG1S239D/I332Eにクローン化された。b)およびc)に使用されたベクターは、有意に改善されたADCC活性を有する抗体を生じることが報告されているアミノ酸変異を組み入れるタンパク質をコードする35。これらのアミノ酸変異は、QuikChange変異誘発技法(Stratagene)を用いて導入された。軽鎖可変性領域は、ヒトカッパ定常領域を含むように改変されたpcDNA3.1(+)発現ベクターに基づいた発現ベクターpcDNA3.1(+)−hκにクローン化された。] [0112] 細胞培養 FreeStyle(商標)293−F細胞は、Invitrogenから入手した。ペニシリン/ストレプトマイシン/ファンギゾーン剤(Invitrogen)を添加したFreeStyle(商標)発現用培地(Invitrogen)中で細胞を培養した。トランスフェクション前に、細胞を8%CO2の雰囲気で37℃に維持した。] [0113] 一過性トランスフェクション FreeStyle(商標)293−F細胞を用いる発現プラスミドの一過性トランスフェクションは、製造元の取扱説明書に従って293フェクチンのトランスフェクション剤(Invitrogen)を用いて実施した。軽鎖および重鎖発現ベクターを合わせて、FreeStyle(商標)293−F細胞に共トランスフェクトした。細胞(1000ml)を、1×106個の生存細胞/mLの最終濃度でトランスフェクトし、2/10Wave Bioreactorシステム2/10または20/50(Wave Biotech/GE Healthcare)上で8%CO2の雰囲気下、37℃で5日間Cellbag 2L(Wave Biotech/GE Healthcare)中でインキュベートした。トランスフェクション4時間後にPluronic(登録商標)F−68(Invitrogen)を、0.1%v/vの最終濃度で加えた。トランスフェクション24時間後に、細胞培養物を、0.5%v/vの最終濃度にTryptone N1(Organotechnie、France)を添加した。次いで細胞培養上澄液を、精製前にMillistak+PODフィルター(Millipore)を通すろ過により採取した。] [0114] キフネンシン処理 脱フコシル化抗体の産生のために、指示されたキフネンシン(Tronto Research Chemicals)を記載されたとおりに53、0.5μg/mLの最終濃度で一過性にトランスフェクトされたFreeStyle(商標)293−F細胞の培養培地(トランスフェクション24時間後)に加えた。] [0115] タンパク質発現の分析 5日後、20μlの培養物上澄液を、4〜20%のトリス−グリシンSDSポリアクリルアミドゲル上での電気泳動に供し、クーマシーブルー試剤で染色することにより可視化した。] [0116] 抗体精製 実施例2に記載されたキメラCSL360に加えて、本実施例においてはCSL360のヒト化変種(hCSL360)の使用もまた記載している。これは、7G3からのマウスCDR領域を、好適なヒト可変性フレームワーク領域に移植した標準的なCDR移植技法により産生した54。得られたヒト化抗体は、完全にヒトフレームワーク配列を含有する。ヒト化過程の結果、CD123に対するMAb親和性は、中等度に減少したが(CSL360およびhCSL360に関して、それぞれ1.06nM対12.8nMのKD値を示す)、結合特異性は変化せず、IL−3依存TF−1細胞増殖により測定すると、hCSL360は、強力なCd123中和活性を保持した(CSL360およびhCSL360に関して、それぞれ5nM対19nMのIC50値を示す)。標準的なリボソームベースの変異誘発55を用いる親和性の最適化を使用して、親マウスのMAb7G3およびキメラCSL360に少なくとも等しいレベルにhCSL360の結合親和性を回復させた。同等のCD123結合親和性および親MAbに対するCD123の中和活性(CD123への結合に関して0.6nMのKDおよび6nMのIL−3中和IC50を示す)を示した、親和性を最適化したMAbクローンを産生した(168−26)。3つのアミノ酸置換S239D/A330L/I332E(168−26Fc3)または2つのアミノ酸置換S239D/I332E(168−26Fc2)を有するIgG1Fcドメインを含有するこのクローンのFc操作誘導体はまた、hCSL360に関して上記のとおり産生した。] [0117] 非改変キメラCSL360、ヒト化変種(hCSL360)およびADCC最適化およびヒト化CSL360S239D/I332E(hCSL360Fc2)とCSL360S239D/A330L/I332E(hCSL360Fc3)およびキフネンシン処理細胞から誘導された材料を、30mLのPoly−Prep空カラム(Bio−Rad、CA)内にパックされたMabSelect樹脂(5ml、GE Healthcare、UK)を有するタンパク質Aアフィニティークロマトグラフィーを用いて4℃で精製した。最初にこの樹脂を、10カラム容量のパイロジェン無しのGIBCO蒸留水(Invitrogen、CA)で洗浄して貯蔵エタノールを除去し、次いで5カラム容量のパイロジェン無しのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(GIBCO PBS、Invitrogen、CA)で平衡にした。次いでろ過した調整細胞培養培地(1L)を樹脂上に重力を与えて装填した。次に樹脂を、5カラム容量のパイロジェン無しのPBSで洗浄して非特異的タンパク質を除去した。結合抗体を、2カラム容量の0.1MのグリシンpH2.8(Sigma、MO)で溶出させ、低pHを中和するために0.2カラム容量の2Mトリス−HClpH8.0(Sigma、MO)を含有するフラクションに入れた。溶出された抗体は、5LのPBSに対して12mlのSlide−A−Lyzerカセット分子量カットオフ3.5kD(Pierce、IL)中、4℃で18時間透析した。抗体の濃度は、Ultraspec 3000(GE Healthcare、UK)分光計を用い、280nmにおける吸光度を測定することにより決定した。抗体の純度は、還元性サンプル緩衝液(Invitrogen、CA)中2μgのタンパク質をNovex10〜20%のトリスグリシンゲル(Invitrogen、CA)上に装填し、150Vの一定電圧を、トリスグリシンSDS操作用緩衝液を用いてXcell SureLock Mini−Cell(Invitrogen、CA)内で90分間印加したSDS−PAGEにより分析してから、製造元の取扱説明書に従ってクーマシー染色を用いて可視化した。] [0118] 結果 野生型CSL360およびFc操作CSL360変種のADCC試験 種々の変異抗体のエフェクター活性を試験するために、CD123発現CTLEN細胞株を、標的細胞株を用い、エフェクター細胞源として正常なPBMCの存在下、実施例2に概説されたカルセインAM放出アッセイを用いてADCC活性を評価した。図12は、CTLEN標的細胞株のADCC特異的細胞溶解を誘導する能力に関して、キメラCSL360とヒト化変異(hCSL360)抗体ならびにFc改変変種hCSL360Fc2とhCSL360Fc3の比較を示している。キメラCSL360ならびにFcドメインの改変なしのヒト化変種の双方が、CTLEN細胞株(5〜10%の標的細胞溶解)に対してADCCを誘導する能力は検出可能性を有したが、中等度であり、実施例2に概説された知見と一致していることをデータは示している。改変Fcドメインを有する変種hCSL360Fc2とhCSL360Fc3の双方は、Fc非改変抗体と同じ濃度で試験した場合に見られる50〜60%の標的細胞溶解でCTLEN標的細胞のADCC特異的溶解を誘発する能力が有意に増強されたことを示した。] 図12 [0119] Fc受容体に対する結合に関するCSL360、Fc操作CSL360変種および脱フコシル化CSL360の試験 既述されたように、抗体Fcエフェクター機能は、生来の免疫系の種々のエフェクター細胞上に発現したFcガンマ受容体(FcγR)への結合を介して媒介される37。] [0120] FcγRへの結合増強に関する抗体の最適化により、エフェクター細胞のより大きな活性化および抗体被覆腫瘍細胞のより多くの死滅を生じる。 hCSL360、Fc操作変種のhCSL360Fc2とhCSL360Fc3、キフネシン処理により産生した脱フコシル化hCSL360(hCSL360kif)に対する種々のヒトFcγRの相対的親和性を、BIAcore A100バイオセンサーで測定した。種々の抗体は個々に、CD123と結合したCM5 BIAcoreチップ上で捕捉された。0.3nMから800nMの範囲の濃度で可溶性FcγR類(huFcγRI、huFcγRIIb/cおよびhuFcγRIIIa(R & D Systemsから入手))は、それぞれの表面上でフローさせ、親和性の測定は、動態学的モデルおよび/または定常状態モデルにデータを適合させることによって判定した。] [0121] 図13Aは、huFcγRI、huFcγRIIb/cおよびhuFcγRIIIaに結合に関してhCSL360に比してhCSL360Fc2、hCSL360Fc3およびhCSL360kifの親和性(KA)を比較している。その結果は、hCSL360Fc2およびhCSL360Fc3に関して概して同様であり、huFcγRIおよびhuFcγRIIb/cへの結合に関してhCSL360に比してKAがおよそ15〜35倍の増加を有する。結合について最も著しい増加は、親和性が約100倍増加したhuFcγRIIIaに見られた。hCSL360kifの親和性の絶対的増加倍数は、Fc操作変種よりも少なかったが、huFcγRI(0.75倍)およびhuFcγRIIb/c(2.6倍)と比較して、huFcγRIIIaでは同様のパターンが見られ、やはり最大の改善倍数(約5倍)を示した。] [0122] 最近の研究では、絶対的な親和性よりも、IgG親和性における高い活性/阻害(A/I)(FcγRIII:huFcγRIIb)比が、最大抗体媒介エフェクター活性にとって重要であることが示されている56。FcγRIII:huFcγRIIに関するhCSL360変種の親和性の比率として表されるデータを図13bに示してある。全ての変種が、hCSL360kif、hCSL360Fc2およびhCSL360Fc3に関して、hCSL360に比してそれぞれ約2倍、約4倍、および約3倍の増加でA/I比の増加を示した。] 図13b [0123] 予想されたとおり、種々のhCSL360Fc増強変種は、FcγR変種に対して親和性増加を示し、活性対阻害FcγR変種に関してはより大きな効果を有することがこれらのデータにより確認される。] [0124] 考察 Fc操作および脱フコシル化CSL360変種は、FcγRに対して有意に増加した親和性およびA/I結合比ならびにインビトロでの改善されたADCCエフェクター活性を実証することが本実施例で示された。この結果、AMLのマウスモデルにおける抗CD123抗体の治療効果に対するエフェクター機能活性にとって重要な役割を示す実施例1および3に提供されたデータと共にまとめると、エフェクター機能増強変種の抗CD123抗体療法は、ヒト患者におけるAMLおよび他のCD123陽性白血病の治療に関して恐らく改善された治療活性を示し得ることが強く示唆される。] [0125] 実施例5 本実施例において、CD123を発現させるために操作された細胞株ならびに固有のCD123を発現するヒト白血病細胞株に対するADCC活性増強に関して、種々のFc増強抗体を試験した。Fc増強MAb類もまた、AMLおよびALL患者からの一次白血病サンプル群に対してエキソビボADCCアッセイを用いて試験した。] [0126] 方法 乳酸デヒドロゲナーゼ放出アッセイを用いるADCCの測定 ADCCは、記載されたとおり35、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)放出アッセイを用いて測定した。LDHは、細胞溶解の際に放出される安定なサイトゾル酵素である。LDHが特定の基質を赤色産物に変換させる比色アッセイを用いて、培養培地に放出されたLDHを測定する。細胞溶解は、放出されたLDHとして測定され、形成された着色度に直接比例する。CD123を発現する標的細胞を、ADCCに対するエフェクター細胞として用いられたNK細胞の存在下、抗CD123抗体の量を変えてインキュベートした。NK細胞は、Miltenyi BiotecのNK単離キット(カタログ番号130−092−657)を用いて正常なバフィーパックから精製した。5%CO2の存在下、37℃で4時間細胞をインキュベートした。抗体またはNK細胞の無い標的細胞を、自然発生LDH放出(バックグラウンド)対照として用い、細胞溶解用緩衝液で溶解された標的細胞を、最大細胞溶解対照として用いた。培養培地に放出されたLDHは、製造元の取扱説明書に従ってPromega’s CytoTox 96(登録商標)の非放射性細胞障害性アッセイキットを用いて測定した。] [0127] 他の方法は全て、先の実施例に記載されたとおりである。] [0128] 結果 図14は、CD123を発現させるために操作されたヒトリンパ芽球腫ラージ細胞に対するADCC活性に及ぼす種々のCSL360誘導抗体の効果を調べている。低レベルのCD123(約4,800の受容体/細胞)を発現する安定なクローン(ラージ−CD123低)(図14aおよび14b)または高レベルのCD123(約24,400の受容体/細胞)を発現する独立したクローン(ラージ−CD123高)(図14cおよび14d)を、これらの実験に用いた。25:1および50:1のエフェクター対標的細胞比を用いた。一貫して、hCSL360Fc3およびhCSL360kifは、親のhCSL360抗体と比較してラージ−CD123低およびラージ−CD123高双方に対して有意に改善されたADCC活性を示した。50:1のE:T比でhCSL360Fc3およびhCSL360kifは双方とも、低濃度(約1ng/mL)抗体でラージ−CD123高の標的細胞のほぼ完全な溶解を達成した。ラージ−CD123低細胞では等しい効果のために、量がおよそ1桁多い抗体を必要とした。興味深いことに、hCSL360と比較して、キメラCSL360誘導ADCCは、(Fc増強変種よりも低レベルにもかかわらず)わずかにより著しかった。このことは、先に考察されたようにヒト化処置から得られたキメラMAbと比較して、CD123結合に関するヒト化変種に対する親和性が約10倍減少するためと考えられる。] 図14 図14a 図14c [0129] 図15aは、標的細胞としてのCD123を自然に発現するTF−1ヒト白血病細胞を用いた今回の上記実験の反復したものを示している。hCSL360Fc3変種は、やはりhCSL260Fc3およびhCSL360kifにより効力はより小さいが有意に改善されたADCCを示し、Fc非最適化hCSL360と比較して活性増加も示した。] 図15a [0130] 図15bは、TF−1細胞において、ヒト化され親和性最適化された抗CD123抗体変種168−26およびそのFc増強誘導体169−26Fc3および169−26Fc2の活性を比較している。この図面におけるデータは、Fc操作が、ヒト化のみの変種(hCSL360)で見られたものと同様に、ヒト化され親和性最適化された168−26変種のADCC活性を改善したことを示している。] 図15b
权利要求:
請求項1 IL−3Rα(CD123)を発現する白血病性幹細胞を阻害する方法であって、前記細胞と、Fc領域または増強されたFcエフェクター機能を有する改変Fc領域を含む抗原結合分子とを接触させることを含み、前記抗原結合分子がIL−3Rα(CD123)に選択的に結合する、前記方法。 請求項2 Fc領域または増強されたFcエフェクター機能を有する改変Fc領域を含む有効量の抗原結合分子を前記患者に投与することを含む患者における血液学的癌病態を治療する方法であって、前記抗原結合分子がIL−3Rα(CD123)に選択的に結合する、前記方法。 請求項3 患者がヒトである請求項2に記載の方法。 請求項4 抗原結合分子が、モノクローナル抗体またはFc領域を含む抗体断片である請求項1または2に記載の方法。 請求項5 抗原結合分子が、増強されたFcエフェクター機能を有する改変Fc領域を含むモノクローナル抗体または抗体断片である請求項1または2に記載の方法。 請求項6 抗体または抗体断片のFc領域の改変が、前記Fc領域において、Fc領域と、関連するFc受容体ならびに補体との相互作用を増強させるために、少なくとも1つのアミノ酸の置換、好ましくは2つまたは3つのアミノ酸の置換を含む、請求項5に記載の方法。 請求項7 改変Fc領域を含む抗体または抗体断片が、脱フコシル化抗体または抗体断片である、請求項5に記載の方法。 請求項8 前抗体または抗体断片のFc領域における改変が、前記Fc領域における保存Asn297に結合したオリゴ糖の改変を含む、請求項5に記載の方法。 請求項9 抗原結合分子が、キメラ、ヒト化もしくはヒトのモノクローナル抗体または抗体断片である、請求項4または5に記載の方法。 請求項10 抗原結合分子が、ヒト定常領域に移植されたマウス抗CD123モノクローナル抗体の軽可変領域および重可変領域を含むキメラ抗体または抗体断片である、請求項9に記載の方法。 請求項11 抗原結合分子が、ヒトのフレームワーク領域上に移植されたマウス抗CD123モノクローナル抗体の複数の相補性決定領域(CDR)を含むヒト化抗体または抗体断片である、請求項9に記載の方法。 請求項12 前記血液学的癌病態が、白血病または悪性リンパ球増殖障害である、請求項2に記載の方法。 請求項13 前記白血病が、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ急性白血病、慢性リンパ急性白血病、および脊髄形成異常性症候群からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。 請求項14 前記悪性リンパ球増殖障害がリンパ腫である、請求項12に記載の方法。 請求項15 リンパ腫が、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、および小細胞リンパ腫ならびに大細胞濾胞性リンパ腫からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。 請求項16 患者に化学療法剤を投与することをさらに含む請求項2に記載の方法。 請求項17 化学療法剤の投与が、抗原結合分子の投与前、投与と同時に、または投与後である、請求項16に記載の方法。 請求項18 前記化学療法剤が、(a)マスタードガス誘導体:メクロレタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン、およびイホスファミド(b)エチレンイミン類:チオテパおよびヘキサメチルメラミン(c)アルキルスルホネート類:ブスルファン(d)ヒドラジン類およびトリアジン類:アルトレタミン、プロカルバジン、ダカルバジンおよびテモゾロミド(e)ニトロソ尿素類:カルムスチン、ロムスチンおよびストレプトゾシン(f)金属塩類:カルボプラチン、シスプラチン、およびオキサリプラチン(g)ビンカアルカロイド類:ビンクリスチン、ビンブラスチンおよびビノレルビン(h)タキサン類:パクリタキセルおよびドセタキセル(i)ポドフィロトキシン類:エトポシドおよびテニポシド(j)カンプトテシン類縁体:イリノテカンおよびトポテカン(k)アントラサイクリン類:ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、ミトキサントロンおよびイダルビシン(l)クロモマイシン類:ダクチノマイシンおよびプリカマイシン(m)その他の抗癌抗生物質:マイトマイシンおよびブレオマイシン(n)葉酸アンタゴニスト:メトトレキサート(o)ピリミジンアンタゴニスト:5−フルオロウラシル、フォクスリジン、シタラビン、カペシタビン、およびゲムシタビン(p)プリンアンタゴニスト:6−メルカプトプリンおよび6−チオグアニン(q)アデノシンデアミナーゼ阻害剤:クラドリビン、フルダラビン、ネララビンおよびペントスタチン(r)トポイソメラーゼI阻害剤:イロノテカンおよびトポテカン(s)トポイソメラーゼII阻害剤:アムサクリン、エトポシド、エトポシドリン酸塩およびテニポシド(t)リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤:ヒドロキシ尿素(u)副腎皮質ステロイド阻害剤:ミトタン(v)酵素類:アスパラギナーゼおよびペガスパルガーゼ(w)微小管阻害剤:エストラムスチン(x)レチノイド類:ベキサロテン、イソトレチノインおよびトレチノイン(ATRA)からなる群から選択される細胞毒性剤である、請求項16に記載の方法。 請求項19 前記細胞毒性剤がシタラビンである請求項18に記載の方法。 請求項20 IL−3Rα(CD123)を発現する白血病性幹細胞の阻害、または阻害用医薬品の製造における、Fc領域または増強されたFcエフェクター機能を有する改変Fc領域を含む抗原結合分子の使用であって、前記抗原結合分子がIL−3Rα(CD123)に選択的に結合する使用。 請求項21 患者における血液学的癌病態の治療、またはその治療用医薬品の製造において、Fc領域または増強されたFcエフェクター機能を有する改変Fc領域を含む抗原結合分子の使用であって、前記抗原結合分子がIL−3Rα(CD123)に選択的に結合する使用。 請求項22 IL−3Rα(CD123)を発現する白血病性幹細胞を阻害する薬剤であって、Fc領域または増強されたFcエフェクター機能を有する改変Fc領域を含む抗原結合分子を含み、前記抗原結合分子がIL−3Rα(CD123)に選択的に結合する阻害剤。 請求項23 患者における血液学的癌病態を治療する薬剤であって、Fc領域または増強されたFcエフェクター機能を有する改変Fc領域を含む抗原結合分子を含み、前記抗原結合分子がIL−3Rα(CD123)に選択的に結合する治療剤。
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